第5弾は25日(金)・27日(日)にシャープレス役を務める、牧野正人からメッセージが届きました✨
♪牧野正人より
★シャープレス役の“ここを見てほしい!”という注目ポイントを教えてください。
「汗をふきふき、僕はこれまで何回この蝶々さんの家に登ったことだろうか。粟國安彦先生のこの演出でシャープレスを演じ続けて凡そ30年。いつもの舞台装置、手に馴染んだ持ち道具、演じる人は変われども、いつもの相手役との緻密な緊張感のある演技のやり取り…しかし慣れや惰性は全く無く、毎回毎回新しい発見がある。それはこの演出が、奇を衒った演出家の独創性を出したものでは無いからだ。そもそも地方巡業の為に作られ、中学生・高校生に観せても分かり易く、誰もが納得出来るもの、そして何より我々日本人の日常的な行動と美意識が存在しているからなのだと思う。細かな仕草や、昔からの風習・習慣、そして和装の日本人女性の美しさ、所作、様式美が表現されている。それはとりわけ、この舞台を守ってきたお一人、立花寶山先生の厳しい審美眼による所が大きい。日本人の女性ならば喜怒哀楽をどの様に表現するか、演技と言えども嘘偽りの無いリアリティが追求されてきた。
これまで何度観ても、何度演じても、いつも涙無くしては観られない健気な蝶々さんの姿…。僕は本当に素晴らしいオペラ、素晴らしい演出だと思う。
そして今年1月にご逝去され、この舞台を守って来たお一人でもある照明家の奥畑康夫さんへ。長年に亘り素晴らしい照明でオペラの舞台を支えて下さり、本当に有難うございました。」
★今回の公演への想いをお願い致します!
「4月に公演した『ジャンニ・スキッキ』同様、今回もコロナ対策の為、稽古場ではマスク着用だ。マスクをしたままで歌い演じる事のメリットは何かないものかと必死で考えた。発声法的に言えば、微生物をも通さない布を突き抜けて遠くに飛んで行く声など有る訳が無いのだが、ただ前回の公演で思った事は、とにかく呼吸が苦しい。いつもなら新鮮な空気を吸って新たなフレーズを歌い出すところが、マスクの中に溜まった前のフレーズの呼気を吸う所から始まるので、常に酸素不足の悪循環が続くのだ。長く歌っていると、気が付かないうちに自分の吐いた息で溺れそうになる。しかし、そんな苦しい状況の中で稽古をして、いざゲネプロ本番のマスク不着用の天国!まあ歌い易い歌い易い。これはさながらマラソンの高所トレーニング!
一方で演技について、大変なのは演出家だと思う。何しろマスクで顔の半分が隠れているから顔の表情、表現は分からない。しかし演技者としては、コンメディア・デッラルテで習った静寂の仮面(マスケラ・ネウトラ)の様に、顔の表情で演じる事が難しければ、身体の動き、立ち位置、身体の向きに最大限注意を払う事が重要になってくる。特にシャープレスなどの老け役で存在感を見せる場合には、特にちょっとした身体の向きや、立ち方の角度みたいなものが活きてくる。
一日も早いコロナの終息を願いながら、今できる最善を尽くそうと思う。」
何度も演じたからこそ、溢れる想い…✨
大ベテラン牧野が演じるシャープレスと共に、「蝶々夫人」の世界をご堪能ください❣
皆さまに安心してご来場いただける公演づくりを目指して公演実現に向け準備を進めております。
どうぞご支援・ご声援のほど宜しくお願い申し上げます!
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