1. トップ
  2. >
  3. 公演情報・チケット
  4. >
  5. CiaOpera!
  6. >
  7. Vol.9-谷友博 1

CiaOpera!

CiaOpera!(チャオペラ)Vol.9 谷 友博
Vol.9 -
谷 友博

谷氏ゆかりのフィガロ役。
今回は、より“らしく”。

歳を重ねるにつれ、オペラの現場で中堅どころ、もしくは最年長になることが多くなってきた。これまで何度も歌ってきた『セビリャの理髪師』の「フィガロ」だが、本プロダクションではこれまでの路線に加えて、年上ならではのメリットを活かしながら、共演者とのかけあいの面白さを伝えたい。休日は、妻との山登りや、ギター弾きを楽しむ日々。ポップスも好きだが、家族の影響で声楽家の道へ。スリリングなフィガロ・デビューを飾り、オペラの魅力に気付かせてくれたイタリア留学での経験を糧に、自分ならではのフィガロ像を創りあげる。

今最も旬なアーティストのリアルな声や、話題の公演に関する臨場感あるエピソードなど、オペラがもっと楽しめること請け合いの情報をお届けする新コーナー「CiaOpera!」。第九弾は、4月29日(土)・30日(日)に新百合ケ丘のテアトロ・ジーリオ・ショウワにて上演のオペラ『セビリャの理髪師』にフィガロ役で出演の谷友博氏に、作品や役への意気込み、共演者について、休日の過ごし方やイタリア留学時代のエピソードについてお話いただきました。

自分らしいフィガロで、『セビリャの理髪師』を牽引したい。

−今日は、4月29日(土)、4月30日(日)に新百合ケ丘のテアトロ・ジーリオ・ショウワにて上演される、『セビリャの理髪師』についてお聞きしたいと思います。谷さんは今回オペラを“回す”役である「フィガロ」を歌われますね。この「フィガロ」の役は、もう何度も歌っていらっしゃいますか?

そうですね、つい3年前にも歌いましたし、イタリアに留学して初めて参加したオペラがこの『セビリャの理髪師』で、フィガロ役だったんです。悪戦苦闘しながらやったのを覚えていますね。(笑)

谷 友博

2011年 藤原歌劇団「セビリャの理髪師」フィガロ役

—そうだったのですね!役を演じるにあたって、前とは違うお気持ちでのぞまれるのですか?それとも、いつも同じ気持ちですか?

基本的には同じ路線で役をつくっているつもりなのですが、本作に限らずオペラの現場で、今まではずっと年下のほうにいたのが、この歳になって気がついたらいつのまに中堅どころだったりいちばん年上だったりして。今回のプロダクションは、バルトロ役の柴山昌宣さんやドン・バジーリオ役の田島達也さんが上にいらっしゃって、下には若い子達がいて、その中で自分がこれまで積み重ねて来たものを出せればいいなと思うんですけど。でも、若い頃ってどうしても“真似”をしていたんですよ。僕は、レオ・ヌッチというバリトン歌手がすごく好きで、若い頃はフィガロに限らず、よくヌッチの歌を聴いて真似しようとしていて。なかなかやろうとしても真似できるものではないんですが(笑)。でもこれからは、真似という次元から抜け出して、自分らしさというものをもっと出していきたいと思っています。それから、今までフィガロを演じるときは、だいたいコンビのアルマヴィーヴァ伯爵役の方が年上だったのですが、今回は僕より若い中井亮一さんなんですね。今までは“伯爵に仕える身”という感じでやっていたんですが、今回は逆に実年齢で年上であるということをうまく役にも活かせたらいいなと思っています。

—年上ならではのフィガロ、ですか。

今までって、伯爵とフィガロは同じぐらいの世代と捉えていて、伯爵と一緒になってドンチャン騒ぎ、みたいになところもあったのですが、年上ならではの落ち着きを持たせられたらいいなぁというか。

—なるほど。確かに、いろいろと策を考える役ですから、落ち着いた冷静な部分というのもフィガロらしいのかもしれませんね。

そうですね。この『セビリャの理髪師』の続きのお話として、モーツァルトがオペラ化した『フィガロの結婚』があるじゃないですか。『フィガロの結婚』になると、フィガロは借金してるんですけど、「なんで借金したのかな?」とか、今回の演目にしても「なんで理髪師になったのかな?」と、フィガロについて誰かとディスカッションしたこともあるんです。まぁ「借金してるから」という理由ではないにしても、「生きるために前向きに頑張れる人」というのがフィガロという人の人物像じゃないかな思っていて、それがロッシーニの音楽にも表れていると思います。いつもアクティブに動いている人というか。

—前向きさやアクティブさが、フィガロの魅力なのですね。

僕、普段から結構早口なんですよ。「早すぎて何を言ってるか分からない」と言われることもあって(笑)。その調子でフィガロのアグレッシブさを表現しようとすると、レチタティーボ・セッコ(具体的なメロディーはないが、和音に乗せて歌うように回すセリフのこと)がすごく早くなって、いつだったか字幕のきっかけを出すスタッフの方から「早すぎてついていけないから、もうちょっとゆっくりお願いします!」なんて、思わぬツッコミがあったりして(笑)。確かに、あんまり次から次へと字幕が変わったらお客さんも読めないので、今回は落ち着かなきゃと思ってます(笑)。

—確かに、お客さんとしては字幕に追いつけないと困るでしょうけれど(笑)、でも、どこかしら谷さんご自身はフィガロと重なる部分がおありなのかもしれませんね。

「各駅停車でのんびり行くより、急行で早く目的地に着く方が好き」という感じでしょうかね(笑)。

—なるほど。では、より魅力を引き出せるかもしれませんね。話は変わりますが、今回の見どころはどんな部分でしょうか?

僕が好きなのは第1幕の伯爵との二重唱で、音楽的にも楽しいですし、聴かせどころとしてお客様に伝えたいです。それから、ロジーナの髪を結うシーンや、バルトロのひげを剃るシーンなど、ところどころフィガロが理髪師らしさを発揮する演出は見ていて面白いんじゃないかと思いますね。あとは、全体的なストーリー。最後にどんでん返しもあるし、お客さんに伝わればいいですね。

—他の役とのかけあいが見どころなのですね。フィガロは出演者ほぼ全員と絡む役ですが、今回の共演者の方々は、もう何度か一緒に舞台に立たれていますか?

中井さんとは『ランスへの旅』や『第九』で共演したし、柴山さんとは何度もご一緒しているし、田島さんとも『ラ・ボエーム』をはじめ何回かお世話になっています。ロジーナ役の脇園さんとは、彼女がまだ学生の頃、一緒にオペラに出ています。あれからもう4、5年経ちますからね。それだけ経つと、ずいぶん変わりますよね。今イタリアですごく活躍されているし、楽しみだなぁ。中井さんとの共演も楽しみだし、柴山さんは、以前ご一緒した『ランスへの旅』でもドン・プロフォンドという役の早口のアリアをすごく上手に歌われていたんですよ。すごく芸達者な方だから、負けないようにしないと。

—そうなんですか!皆さんとの共演が楽しみですね!マエストロの佐藤正浩氏とはいかがですか?

佐藤さんとは『オテッロ』でご一緒させていただいてから、しばらくぶりです。あのときも僕にとって「イアーゴ」はすごくやりたい役だったし、佐藤さんの指揮にずいぶん助けていただいて。よく存じ上げている方ですが、ただ佐藤さんのオペラ・ブッファ(喜劇)は初めてなので、どんな風に指揮されるか楽しみですね。

—喜劇だと、オペラが初めてというお客さんでも観ていただきやすいでしょうね。

そうですね。本番はゴールデンウィークですが、ぜひお出かけになる前に観に来ていただきたいですね。

谷 友博
ページ上部