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  7. Vol.25-伊藤 晴 2

CiaOpera!

心強い共演者。得るものの多かった過去のプロダクション。

−伊藤さんは、この『ラ・トラヴィアータ』という作品でどこが見どころだと思われますか?

この作品は、本当に見どころだらけなんですけど、先ほどお話したようなヴィオレッタの女性としての強さが見せられるかなという部分は、第三幕の死を目前にした場面だと思います。特にアルフレードとの二重唱の後半部分、「神よ!このような若さで死ぬなんて…」という部分のハ長調には、ヴィオレッタの力強さがストレートに出ているように思われます。私も、そこを見せ場にできたらと思います。

伊藤 晴

2013年ルーマニア国立歌劇場「La Traviata」ヴィオレッタ役 ©Adrian Mergiani

−共演者の方々とは、もう何度もご一緒されているのでしょうか?

相手のアルフレード役の澤﨑一了さんは、演奏会で何度かご一緒しましたがオペラでは今回が初めてです。今回、1月26日の回が一番フレッシュなメンバーだと思うので、ジェルモン役で出演される折江忠道総監督に、本当のお父さんのように見守っていただきながらチャレンジしていくことになると思います(笑)。

−アルフレードとは、まさに先ほどおっしゃっていた第三幕の見せ場も一緒につくりあげることになると思いますので、コンサートでご一緒したことのある澤﨑さん、心強いですね。そして折江総監督と共演されることについては、いかがですか?

折江さんとは、私が藤原歌劇団にデビューした『ラ・ボエーム』の公演でご一緒しました。そのとき私はムゼッタで、折江先生はベノアの役で関わるシーンはなかったのですが、ヴィオレッタとジェルモンは真っ向から向かい合って対峙する役ですので、胸をお借りしてぶつかっていこうという気持ちでいます。

−おふたりには、第二幕に長い見せ場の重唱シーンもありますね。演出の粟國淳さんとは、初めてのお仕事ですか?

粟國さんは、私のオペラ歌手育成部の修了公演『修道女アンジェリカ』で演出をされていて、そのとき以来なのです。本当に十数年ぶりで、まさか再びご一緒するのがこの『ラ・トラヴィアータ』だとは思いませんでした。修了公演では、私はアンジェリカ役をやらせていただいたのですが、そのときも「え、修了公演の演出を、あの粟國さんが!?」とクラス中が沸き立って。まるでイタリア人のような方なので、みんな刺激を受け、そのエッセンスを吸収していたように思います。先生方にも、「粟國さんの動きとか、顔の表情とかをまず真似して勉強しなさい」と言われましたし、人間的にもとても魅力のある方なので、クラス内でもみんなで「卒業したら粟國さんとご一緒できるように頑張ろうね!」と話していました。実際は、その後なかなか機会もなかったのですが、こうして大きな舞台でご一緒できることになって、心から楽しみにしています!

−そして、先ほどのお話ではフランス留学中にも『ラ・トラヴィアータ』に出演されたとお話されていましたね。そのときはすぐ本番を迎えてしまわれたようですが、今回は藤原歌劇団のプロダクションとして、しっかり取り組めそうですね。

はい、そう思います。実は、2013年の藤原歌劇団本公演の『ラ・トラヴィアータ』で、私はアンダースタディで入っていて、そのときヴィオレッタ役がマリエッラ・デヴィーアさんだったのです。これまで何度もいろいろなヴィオレッタ役を聴いていますが、あんなにものすごい、聴いたこともないほど長いフレージングを身近に感じたのは初めてで、毎回稽古が仰天の連続で。なおかつ、デヴィーアさんはベルカント唱法の名手と言われていますが間近で見ると、その動きがまたとても音楽的なのです。ヴィオレッタそのものが動いているという感じがして、その演技力にも本当に脱帽でした。そんなデヴィーアさんなのに、舞台稽古をすごく入念にされていて、劇場に入ってもご自身は早めに舞台に上がって動きなどを確認されていて、そういう姿勢にもすごく刺激を受けましたし、勉強になりました。

伊藤 晴

−それは印象的な経験でしたでしょうね。

そうですね。亡くなった岡山廣幸元総監督が「足の裏から息を吸っているみたいだろう」とおっしゃっていたような、デヴィーアさんの凄まじいテクニックを間近で目の当たりにしたこともあり、「藤原歌劇団でヴィオレッタを演じるということは、まだまだすごく勉強することがあるな」と感じました。それともうひとつ、そのときの演出が岩田達宗さんだったのですが、私はすごく叱咤激励を受けまして。普通でしたら、舞台に出るわけではないアンダースタディにそこまで熱心に指導してくださるなんて有難いことなのですが、当時は毎回泣きたいような気持ちでした(笑)。特に覚えているのが、「君はヴィオレッタをレパートリーにしなきゃいけないんだから、扇子の持ち方や立ち方なんかも自分で調べてこなきゃダメだろう」と怒られたことです。合唱部のみなさんがいらっしゃるときでも、結構厳しいお言葉をいただいたりしたので、精神的にもかなりタフじゃないといけないんだなということも学びましたし(笑)。でもそんな風にして、藤原歌劇団の稽古場でヴィオレッタの役を実践させてもらえたということは、すごく勉強になりました。

−そのときに得たものは大きいでしょうね。

すごく大きかったです。あのときの経験が、今回の糧になればいいなと思っています。

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