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  7. Vol.28-澤﨑一了 2

CiaOpera!

チャレンジしたい。ふたりの愛の幸福を物語る、第二幕の第一声。

−他に、ここはぜひ注目してほしいという箇所はありますか?

そうですね、あまり自分にプレッシャーもかけたくないのですが(笑)、僕はこの『ラ・トラヴィアータ』のなかに、アルフレードとヴィオレッタの心が本当に通じ合っているように見える愛のデュエットって、実は無いような気がするんです。無い、といったら言い過ぎなのかな。でも、たとえば『ラ・ボエーム』のロドルフォとミミのように、「今、本当にふたりの心が通じ合っているんだな」というような愛のデュエットが。第一幕では、アルフレードが告白しますが、ヴィオレッタには表向きにしても軽くあしらわれてしまう。なんとなく脈があることはわかるけれど、本当にヴィオレッタが自分のことを愛してくれているという確信は、無いままその場を去ってしまいます。第三幕は、ヴィオレッタの病がすでに進み、死という恐怖が迫っている状況での再会。ある意味では愛の二重唱なのかもしれませんが、その先に見えてしまっている悲劇的な、一緒になることないという状況があっての二重唱だと思うのです。じゃあ、このふたりが本当はどれだけ幸せだったのか、を表現しなければいけないのが第二幕の冒頭で歌われるアルフレードのアリアなのです。二幕の幕が開いて、アルフレードはいきなり「彼女から離れては僕の喜びは無いんだ」と歌う。第一幕のデュエットでアルフレードはヴィオレッタから花をもらって、気持ちはどちらか分からない、でも脈はきっとある、という期待感のなかで去っていき、そのあとヴィオレッタが「不思議だわ…」と歌って終わりますね。そこから第二幕になると、急に3ヶ月が経っている。そのときの第一声は、この舞台で描かないふたりの日々がどれだけ愛に満ちて幸せだったかをお客様に想像させるものでなくてはいけないと思うのです。本当に難しいかもしれないけれど、その表現ができたらいいな、と思っています。今回のデビューでいきなり出来るかはわからないけれど、でもチャレンジはしたいですね。

澤﨑一了

−素晴らしいチャレンジだと思います!第二幕の第一声、楽しみにしています。でも、そうなると相手役の方とのやりとりもとても重要になってきますね。一番はやはりヴィオレッタだと思いますが、今回ご一緒する伊藤晴さんとは、すでにどこかで共演されていますか?

伊藤さんは、オペラの舞台でご一緒するのは初めてですね。でも、このプロダクションの前に、2015年にマリエッラ・デヴィーアさんが来日された『ラ・トラヴィアータ』のときに伊藤さんがヴィオレッタのアンダースタディで入られていて、僕もアルフレードのアンダースタディに入っていたのです。なので、まったくオペラの現場が初めてというわけではありませんが、一緒に舞台に上がるのは初めてですね。でも、コンサートではよくご一緒していますし、「乾杯の歌」をふたりで歌ったこともあります。先輩ではありますが、気兼ねなく腹を割って話せるかなと思います。

−素敵なふたりのシーンがつくれそうですね。アルフレードの父・ジェルモン役の、折江総監督はいかがですか?

折江総監督は、実はこれも師匠・角田さんのよしみで、日本オペラでご一緒したことがあるのです。師匠は群馬県出身なのですが、2001年の「国民文化祭ぐんま2001」というものがあり、そこで群馬県のお話を題材にした創作オペラをつくったのです。『みづち』という作品なのですが、それを日本オペラ協会でも2004年に新国立劇場の中劇場で上演し、2008年に群馬県で再演した時に折江総監督は水の神様役で、僕はその神様の家来役でご一緒させていただいたんです。やっぱり、とても心強いです。今回、僕がプリモ・テノールとして歌うのが初めてなので、そういうときに総監督がみずからお父さん役でいてくださるということに、「背中を押してくださっているな」とすごく愛を感じます。

−それは、安心して取り組めそうですね!

そうですね。あと、これは前回の『道化師』のときも思いましたが、やっぱり合唱の先輩方にもすごく助けられていることを感じたので、心強い方々がそばにいてくださるというのは、緊張もしますが、安心もできます。

澤﨑一了

2018年 藤原歌劇団公演「道化師」ペッペ役 多彩な表現でソリストを引き立てる藤原歌劇団合唱部によって活き活きと歌っていることが伝わってくる

−指揮者の佐藤正浩さんや、演出家の粟國淳さんとは、ご一緒したことはありますか?

いえ、おふたりとも初めてなんです。ですから、佐藤さんとは音楽稽古がとても楽しみですし、粟國さんは舞台は何度も拝見していて、とても人間味あふれる演出だなと感じていましたので、僕がそのなかの一員になれることも楽しみです。

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