1. トップ
  2. >
  3. 公演情報・チケット
  4. >
  5. CiaOpera!
  6. >
  7. Vol.30-沢崎恵美 2

CiaOpera!

チーム一丸となって、三木稔先生の音楽と想いをつくりあげる。

—今回、静のひとつの見せどころでもあると思うのですが、オペラ後半に美しいアリアがありますね。

はい、正直大変です!ここでこのアリアか、という感じに。もちろん、そこに至るまでもところどころ要素は散りばめられていますが、ちょっと沖縄的というか、「別世界」という表現を三木先生がしていらっしゃる曲ですね。そのアリアは、やはりこれまで取り組んできた日本オペラと少し違うような、お客様がお帰りになるときに口ずさんでいただけるような、心に残るメロディーでもありますし、私自身そんなお客様へ届く歌い方ができたらいいなと思います。一方、アリアではない部分でも、語りと歌とのバランスをいかに自然にとるかという工夫も必要ですよね。日本語なので、言葉が分かるだけに難しくもありますが。

−以前、『よさこい節』の際にも、日本語ならではの難しさについてお話しくださいましたが、今回の『静と義経』でも、やはりその点は追求されるポイントなのですね。

そうなると思います。

−今回共演者のみなさんとは、何度かお仕事をご一緒されていますか?

もう、気心知れた方々です(笑)。もちろん、なかには初めてご一緒する方や久しぶりの方もいらっしゃいますが、本当に層が厚くて頼もしいです。稽古場も楽しいですし、チーム一体となっている感じがすごくあります。そこは、やっぱり日本オペラ協会のいいところですね。義経役の中鉢聡さんは安定の相手役ですし、頼朝役の清水良一さんとも前回の『よさこい節』では恋人役、今回は敵同士と、よくご一緒しています。劇中、一番密に関わるのは静の母「磯の禅師」の上田由紀子さん、そして先輩方が脇をしっかり固めてくださっています。先ほどもお話したように、静は“チーム義経”と呼ばれる義経・弁慶・佐藤忠信などのシーンにも、“チーム頼朝”と呼ばれる頼朝・政子・大姫などのシーンにも登場しますが、政子役の東城弥恵さんや大姫役の鈴木美也子さんとは、勢力図としては敵でありながら、敵味方関係なく女として共感しあっている部分も出していけると、ドラマがより深まるかなと思います。また、“チーム静”として3月2日組の坂口裕子さんともタッグを組んで、お互い協力しつつ仲良くさせていただけているのが、大変ななかでも「はぁ〜」と気が重くなりすぎずにいられる要因かなと思います(笑)。

沢崎恵美

別組 静役の坂口裕子さんと

—今回は一緒にお稽古をされているのですね!

そうですね、坂口さんがとても努力家でいらっしゃるので、「見習わなくては」と思いながらやっています(笑)。また、私が出演する3月3日というのは、日本オペラ協会の前総監督でいらした故・大賀寛先生のお誕生日でもあるので、チーム一同そのことへも思いを馳せ、郡愛子総監督のもと、目下頑張っています。

沢崎恵美

2017年「日本歌曲連続演奏会」にて大賀先生と 左から沢崎恵美、故・大賀寛、座間由恵、川越塔子

−それは、お気持ちもさぞ奮い立つこととお察しします。音楽的には、指揮者の田中祐子さんといろいろ詰めていらっしゃるところかと思います。

はい、でも音楽、難しいですね。楽譜に「三木マーク」と呼ばれる「M」と書かれている部分があるのですが、特にこの表現が難しくて。意味合いとしては「リベロ(自由に)」に近いのですが、大元に流れているリズムも感じながらの表現がとても難しいので、田中マエストロと一緒につくりあげているところです。

−「三木マーク」という、独特の表現があるのですね!それは、こちらから観ていて、「歌い手がこんな表現をしていたら三木マーク」と具体的に分かるようなものなのですか?

いえ、オーケストラが流れているときもありますし、いきなり歌が出る箇所もありますし。そこでどういった気持ちをつくるかとか、言葉の運びをするかで全然表現が変わるので、そこをつくっていく作業は大変ですね。“間”なんですけど、かといって開けすぎてもいけないというか。演奏する側に委ねられる部分でもありながら、三木先生からの想いを受け止めて表現しなければいけないという点が難しさといえます。

−なるほど、私たち観客から観ていて「ここだ」と分かるものでもないのですね。例えば、シーンでいうとどんなところで表現していますか?

そうですね、結構たくさんあるのですが、なにか人物の気持ちが動くところかもしれません。例えば静が義経にすがっていくところであるとか、静が無の世界に入っていくところとかですかね。でも、逆にお客様に「あ、いま三木マークを表現しているな」と気付かれてしまっては、負けな気もしています!歌い手としては、「ここはもう1拍歌い込みたい!」とか、「ここ、少し休止になるのでは」と内心感じてしまうようなせめぎ合いがあり、感覚的に自分のなかに落とし込めずに四苦八苦しているところではありますが、説得力のある表現となってお客様へお届けできればいいと思います。

沢崎恵美

「静と義経」の稽古風景

—そうなのですね!では、詳しくは秘密でしょうが(笑)、私たちも観ていて「気持ちが動いたな」という場面で三木さんの想いをキャッチできたら幸運ですね。演出の馬場紀雄さんとも、そのあたりはつくりこまれていますか。

はい、馬場さんは「基本的に初演を踏襲する」ということをおっしゃっていますので、歌い手としてもその方針に沿いつつ、そのなかで自分たちらしさも表現していきたいです。

—深みがあり、見所も多そうなオペラですね!拝見できるのが待ち遠しいです!

ページ上部