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CiaOpera!

CiaOpera!(チャオペラ)Vol.33 笛田博昭
Vol.33 -
笛田博昭氏

笛田博昭氏が、ヴィンチェンツォ・スカレーラ氏と“表現”する音楽世界。

リサイタルでは、世界屈指の伴奏者ヴィンチェンツォ・スカレーラ氏を迎えることもあり、超一流歌手と仕事を共にしてきた彼の豊かな経験と、自分のやりたい音楽を融合させてプログラムを組んだ。最初は軽く、コンサートの流れに乗りやすい曲から、最後は力強いフィナーレへ。名曲から、なかなか聞くことのできない珍しい作品まで。以前にも増して最近意識するようになった“表現”を大切にしながら、思い入れのある曲を披露したい。一流演奏家としての表現を体現するスカレーラ氏と、舞台を共にするこのリサイタルから、自身のさらなる成長を見据える。

今最も旬なアーティストのリアルな声や、話題の公演に関する臨場感あるエピソードなど、オペラがもっと楽しめること請け合いの情報をお届けするコーナー「CiaOpera!」。第33弾は、2019年6月9日にテアトロ・ジーリオ・ショウワにてリサイタルを開催する笛田博昭氏。世界的伴奏者ヴィンチェンツォ・スカレーラ氏と共につくりあげたプログラム、特に聴きどころの曲や最近意識されているという深い芸術表現についてなど、貴重なお話を伺いました。

名曲も、珍しい試みも。今できることのすべてを出し切りたい。

−今日は、まもなく2019年6月9日にテアトロ・ジーリオ・ショウワにて開催される笛田博昭さんのリサイタルについて、たっぷりお伺いできたらと思います。笛田さん、今回のリサイタルはなかなか興味深い曲目が並んでいるようにお見受けします。また、世界屈指の伴奏者であるスカレーラ氏との共演も注目ポイントです。このリサイタル、何か企画のコンセプトのようなものはありますか?

これといって大きなコンセプトは持っていないのです。ただ、やはり今回は、スカレーラさんという素晴らしいピアニストとご縁あって共演が実現したこともあり、せっかくなので珍しい試みも多く取り入れています。あまり日本で聴かれない作品も多いですよね。また、オペラ公演ではなくリサイタルで、字幕スーパーがあることもなかなか無いと思います。ここはちょっと頑張った点でしょうか。もっとも僕は、音楽が「伝わる」ことに関して、歌詞の意味がわかるとかわからないとかって、本当はあまり関係ないと思っているのですけれど。とにかくこのリサイタルでは、これまで自分がやってきたこと、今の自分ができるすべてを出し切りたいなという思いはあります。

笛田博昭氏

—それが、曲目にも表れているのですね。

そうですね。プログラムに関しては、スカレーラさんからもかなりアドバイスをいただきました。今回のコンサートはベッリーニの歌曲から始まるのですが、「ドナウディはどうかな」とか、いろいろな案をいっぱい出してくださって。彼はベルゴンツィとかカレーラスとか、超一流の歌手と仕事をしてきた方で、多くのことを知っている。だから、そういう方のアドバイスはやっぱり正しいと思うのです。それと自分のやりたい音楽とを合わせて考えました。そのディスカッションから生まれた今回の新しい試みとして、フランスの作曲家マスネの歌曲を2曲歌います。。

—マスネの歌曲は、普段リサイタルではなかなか聴くことができませんね!とても興味深いです。

ただ、僕は普段専門にしているわけではないので、フランスものは発音が大変ですけどね(笑)。そのへんは、スカレーラさんによく指導していただきました。

—言葉の指導も、スカレーラ氏直伝なのですね!今少し触れていただきましたが、プログラムについてもお聞きしたいと思っていました。今回の選曲については、どのように選ばれたのですか?

楽基本的には、なるべく時代を追っています。もちろんなかには、ちょっと毛色の違うトスティの作品があったり、前半は軽めのものやベルカントもの、後半は重めのものというコントラストがついていたりします。前半の最後はドニゼッティのオペラ『ラ・ファヴォリータ』のアリアです。後半にはマスネの『ウェルテル』から「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」、ヴェルディの『運命の力』から「おお、天使の胸に抱かれている君よ」、最後はジョルダーノの『アンドレア・シェニエ』から「五月の晴れた日のように」。ベルカントからヴェリズモまでという流れともいえるかもしれませんね。

笛田博昭氏

—なるほど、ベッリーニやドニゼッティというベルカント・オペラから、ヴェリズモ・オペラの時代への流れができているのですね。最初がベッリーニの曲なのは、何か意図があるのですか?

ベッリーニの歌曲3つに関しては、軽めの曲としてコンサートの流れを意識して選びました。やはりスタートなので、最初から一気に「ガンッ」ときてしまうものは歌う側としても聴く側にとっても負担もかかるし、エンジンをかけるのも大変ですからね。「流れ」を生み出し、それに乗るっていうことでしょうか。最初からパワー全開のような曲ばかりだと、お客様としても途中で飽きたり、疲れたりしてしまうと思うのです。それが、盛り上がりが最後にくると「あぁ今日のコンサートは良かった!」と思えるかなと。

—おっしゃるとおり、聴く側としても、最初は軽めにスッと入って最後は盛り上がりを求めたくなります。心地よい流れを生み出すためのベッリーニなのですね。コンサート全体の流れにもこだわって構成されていることが伝わります!

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