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  7. Vol.36-伊藤貴之 2

CiaOpera!

十四重唱も、人物表現も。気心知れた仲間ときっと良い舞台をつくれる。

−伊藤さんの考える、この『ランスへの旅』の見どころはどちらでしょう?

自分の見せ場でいうと、例の難しいアリアというのはもちろんあるのですが、その他にオペラの最後に、いろいろな国籍や階級の登場人物がそれぞれ自分の国の歌を歌うシーンがあって、そこでこれまでモジモジした性格だったシドニー卿が、ちょっと調子に乗って前に出ようとするのです。「ちょっと待て」と人に止められるぐらいに。だから、本当は恥ずかしがらずに、こうやってセンターに立って堂々と主張したかった、というシドニー卿の姿や思いを見てほしいと思います。それから、全体としてはやはり十三人アカペラで始まり十四重唱まで発展する曲ですね。

—アカペラの場面、前回お話を伺った久保田さんもおっしゃっていました。やはり注目の見どころなのですね。それに、重唱とは聞いていましたが、十三重唱とは!

そうなのです。声楽的にも、十三重唱をアカペラで、というのはなかなかありませんからね。歌っていて自分でもゾクゾクしますし、お客様にもそれは感じていただけると思います。とにかく楽しいですし、ロッシーニらしい軽やかさもあります。

—ロッシーニらしさが最も楽しめる場面でもあるのですね。この作品がロッシーニの最高峰といわれることもあるゆえんを感じられるのでしょうか。

そうだと思います。ロッシーニが、実際にフランス国王となったシャルル十世の戴冠式を祝うためにつくった作品ですからね。

—そうでした。国王のためにふるった手腕の冴えを感じられるのですね。今回の共演者の方々は、もう何度もご一緒されている方ですね。

はい、半分以上の方は前回の『ランスへの旅』でもご一緒しています。ただ、前回は藤原歌劇団に入って3年目ぐらいで、ものすごく緊張した状態で。「自分は本当にここにいていいのかな」と思ったりもしていましたが、今回はもっと自信をもって、いい意味で遠慮なく、みんなで舞台をつくっていこうという気持ちが強いです。お互いに知っているからディスカッションもしやすいですし、重唱などでも久保田さんや須藤さんなどの隣で同じようなフレーズを歌っていることが多いのですが、そんな時、一緒に歌っているだけで安心感もありますし、自分も負けていられないという気持ちも起こりますし。「さすが藤原歌劇団!」と感じます。

ミラノにて

ミラノにて

—ディスカッションの面でも、重唱の面でも心強いですね。逆に初めてご一緒する方はいらっしゃいますか?

デリアの楠野麻衣さんやモデスティーナの丸尾有香さんなど若い方は、初めましての方が多いです。そう思うと、僕もまだまだ若手のつもりでいたけれど、中堅どころのような気持ちになりますね(笑)。でも、こうやっていい舞台がつくれそうな雰囲気の稽古場にいれることは幸せです。

—お話を伺っていると、とても稽古場の雰囲気も良いのですね。指揮者の園田隆一郎さんとも、何度もご一緒されていますか?

はい、園田さんとはロッシーニ作品でも、それ以外の作曲家の作品でも、何度もご一緒しています。先輩ですし尊敬もしていますが、歳も近いこともあり自分のやりたいことも伝えやすいですし、マエストロもまたよく話を聞いてくださいます。いい関係だろうな、と僕は思っています(笑)。

—演出家の松本重孝さんはいかがですか?

松本先生は、前回の『ランスへの旅』も演出されていますし、他の現場でもお会いしています。重孝さんは、歌い手に自由に演じさせてくれる演出家なので、やりたいと思ったことを言って、やってみて、良ければいいし、ダメならダメだし、とジャッジしてくださいます。なので、稽古中にいろいろなアプローチを試させていただけて、いいなと思います。稽古と本番では、全然違うことをやっているかもしれません。

—まさに、今いろいろと試していらっしゃるのですね。今回は、東京二期会の歌い手の方々も参加されているとお聞きしていますが、そちらのみなさんとはいかがですか?

はい、二期会の方々も、以前いろいろな機会にご一緒したことはありますし、それはそれで普段藤原歌劇団のメンバーだけでやるときと違う刺激が加わりますし。この作品は、まず出演しているこちらが楽しいんじゃないかなと思います。

—自分たちがまず楽しい、というのは大切なことですよね。きっとその空気は伝わると思います。演じていても観ていてもきっと楽しい舞台、期待が高まります!

伊藤氏
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