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  7. Vol.37-山本康寛 3

CiaOpera!

イタリアで目覚めた「一流」への思いと、休日のお料理男子。

—ところで、普段多く歌われている西洋作品のことについてもお聞きしたいのですが、山本さんはイタリア・ペーザロ市のロッシーニ・フェスティバルにもご参加されたことがあるのですよね。3回ほど前のインタビューで、小堀勇介さんと中井奈緒さんからも、ご一緒だったとお話しを伺いました。

はい、そうですね。一緒に参加しました。世界中からロッシーニを勉強したい歌い手が集まってきていて、それもオーディションを受けて参加するのですが、日本人は1人いるかいないかで、小堀さんたちも含め3人も合格するのはとても珍しいことだったようです。今でも小堀さん、中井さんはあのときの同期であり、同志だなと思っています。あのつらかった思い出を共有しているという(笑)。

—つらかったのですか!どういう点でつらさを感じられたのですか?

ロッシーニ・フェスティバルに参加するために、まず「アカデミア」と呼ばれる講習会に参加して勉強するのですね。僕が当時最年長で34歳、かたや若い子は21歳ぐらい。その20代前半の若者たちが、ものすごく上手いのです。単に「いい声だね」「上手だね」という領域ではなく、かなり細かい点まで綿密に詰めた、純度の高い歌を歌うといいますか。「あ、この子たちは、この年齢から劇場に立つ事を意識して練習をしているんだ。」と感じてしまうような、そんなカルチャーショックのようなものが印象的でした。それって、僕が21歳だった頃には考えられなかったことで。若くても、この先、力を伸ばして舞台に立っていくというビジョンがしっかり見えていて、甘えなく音楽づくりをしている姿を見て、「自分も、あと数年早くこの域に来ていれば!」と悔しいやら恥ずかしいやらでした。あれは、“世界”を見ましたね。だから、日本でも若い人たちになるべくその話をするようにしています。「世界はすごいよ!ビジョンの持ち方が大事だよ!」と。

—とても印象的だったことが伝わります!そこがあって、今の山本さんがいらっしゃるのですね。さて、話はまたがらりと変わりますが、そのように勉強も続けられて、舞台でも活躍されてとご多忙な山本さん、オフの日はどう過ごされているのですか?

そうですね、歌い詰めでいて迎えるオフの日は、やっぱり喉や体力をいかに回復するか?になってきたりもするのですが、自分はまだまだだし、一流になりたいということは常に思うので、体に負担をかけない程度に練習することもよくあります。って、ぜんぜん面白くないですね(笑)。

—いえいえ、素晴らしいと思います!

あと、趣味といえるかどうかわかりませんが、好きで料理はたまにつくります。基本的には妻がつくることが多いのですが、時間があるときには「あ、ちょっと疲れているからニンニクでも食べよう」とペペロンチーノをつくってみたり。

山本康寛氏

自宅での調理の様子

—ペペロンチーノって、シンプルに見えて、いざつくると難しいのですよね!

そうなんですよ!大学時代、イタリアンでバイトをしている同期がいたので食べに行き、どうしてもペペロンチーノが食べたかったので頼んだら、あまりのおいしさに衝撃を受けまして。思わず「材料は何を使っているんですか?」「どうつくっているんですか?」と質問しましたが、返事はいたってシンプルで、でも自分では同じ味がつくれない。動画サイトでいろいろ検索してみたり、イタリアでも食べましたが、あの友人のイタリアンで食べたときのおいしさには未だにたどり着けないのですよね。あと、夜眠れなくてホワイトソースをつくり始め、そのままグラタンに移り、深夜にグラタンができたということもありました(笑)。

山本康寛氏

インタビュー後に実際作っていただきました

—すごいですね!それは、思いつきでつくり始めるのですか?

そうですね、「あ、ホワイトソースつくろう」という感じです(笑)。まぁ本当に、時間があるときにですけれど。ペペロンチーノでも、グラタンでも、あとはハンバーグでも。自分のなかで、「この料理だったら、こうつくれば絶対においしくできる」という自分流レシピが決まっていくのが楽しみなのです。

—そうなのですね。なんだか、オペラの役のレパートリーのようですね。

そうかもしれません(笑)。「この役だったら、こういう心理で、こう歌っていこう」というような組み立ては、似ているかもしれません。

−こうした休息のひとときが、また次のパフォーマンスへとつながっていくのですね。お話ありがとうございました!

伊藤氏

新企画<聞いてみタイム>♪アーティストからアーティストへ質問リレー

アーティストからアーティストへ質問リレー。伊藤貴之さんから、山本康寛さんへ。

−さて、恒例の、歌手から歌手への質問コーナー「聞いてみタイム」です。今回は、前回の伊藤貴之さんから、山本康寛さんへのご質問です。

〜これからどんな歌い手になりたいと考えていますか?〜

質問コーナー

難しい質問ですね!うーん…でも昔から絶えず思っていることがひとつあり、それは、聴く人の心が動かせるような歌い手になりたいということです。泣いてもいいし、笑ってもいいし、興奮でもいいのですが、とにかく「感情が揺さぶられたな!」と感じていただけるような、そんな歌い手になりたいとは思っています。

−純粋にそこを目指されている、その姿勢が素晴らしいと思います。音楽の本質ですよね。

ありがとうございます。先ほどの「一流になりたい」という思いもそうですが、一流になって、じゃあどうしたいのかといえば、「人の心を動かしたい」。一流であればこそ、感動や興奮といった、人の心を動かすことも叶いそうだと思っていて…そんなところを目指していきたいです。

−高く見据えた目標、お話しくださってありがとうございます。

取材・まとめ 眞木茜

PROFILE:Tenore 山本康寛/Yasuhiro YAMAMOTO

山本 康寛
京都市立芸術大学卒業、同大学大学院修了。第82回日本音楽コンクール第2位。第32回飯塚新人音楽コンクール第1位及び文部科学大臣賞受賞。第51回日伊声楽コンコルソ第2位及び五十嵐喜芳賞受賞。五島記念文化財団の奨学生として渡伊。
 2014年びわ湖ホール公演コルンゴルト作曲「死の都」(日本初演)パウル、15年藤原歌劇団公演「ランスへの旅」リーベンスコフ伯爵の各役に抜擢され注目を浴び、16年日生劇場「セビリアの理髪師」のアルマヴィーヴァ伯爵で出演。同年ペーザロにてロッシーニ・アカデミーのオーディションに合格しゼッダ氏の指導を受け、ロッシーニ・オペラ・フェスティバルにて「ランスへの旅」のリーベンスコフ伯爵でイタリアデビュー。平成24年度平和堂財団芸術奨励賞、第24回青山音楽賞・音楽賞、第26回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。藤原歌劇団団員。びわ湖ホール声楽アンサンブルソロ登録メンバー。また、びわ湖ホール4大テノールとしても活躍中。愛知県出身。

今後のスケジュール

  • 藤沢市民オペラ2018-2020シーズンG.ロッシーニ「湖上の美人」(演奏会形式)

    ウベルト役

  • 日本オペラ協会公演スーパーオペラ「紅天女」

    仏師・一真役

-Special Thanks-

インタビュー会場提供 
上質な空間で交流を楽しめる、 グランドピアノ付き会員制サロン
『サロン・ド・東京』
スタインウェイのヴィンテージピアノを常設しています。
平日18:00までは会員専用サロンとして、18:00以降と土日祝日は一般貸切りで、パーティーやコンサート、発表会などにお使い頂けます。

サロン・ド・東京

東京都中央区京橋1-3-2モリイチビル 2 F
『サロン・ド・東京』
お問い合わせ:080(3600)8360<平日10:00~18:00>

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