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CiaOpera!

CiaOpera!(チャオペラ)Vol.49 山口佳子
Vol.49 -
山口佳子

山口佳子氏が「コジ・ファン・トゥッテ」で魅せる、可能性とメッセージ。

小学校の時から、自然と楽しく続いてきた“歌う”ということ。本格的な声楽の道に進むにつれ、イタリア語という言語が持つ本質的な部分へと興味が移っていく。言語を自分の身にすることが、血の通った歌詞や音楽表現へつながると信じているから。それが、イタリア留学でいちばん得られたものだった。「コジ・ファン・トゥッテ」は、学生時代のオペラ・デビューでもある思い出の作品。これまで演じてきたフィオルディリージやデスピーナとは違う、ドラベッラという新たな役に可能性を見出し、しっかり役作りをしてお客様へメッセージを伝えていきたい。きっと、これまでにない新しい「コジ・ファン・トゥッテ」になるはずだから。

今最も旬なアーティストのリアルな声や、話題の公演に関する臨場感あるエピソードなど、オペラがもっと楽しめること請け合いの情報をお届けするコーナー「CiaOpera!」。第49弾は、2022年7月1日(金)・2日(土)・3日(日)に藤原歌劇団・NISSAY OPERA2022公演として上演される「コジ・ファン・トゥッテ」の7月1・3日にドラベッラ役でご出演の山口佳子氏。歌う楽しさに目覚めた小学生時代に始まり、やがてオペラ歌手へと歩むようになるきっかけや、ご自身の中に新たな可能性を見出したドラベッラ役、本公演への意気込みについて伺いました。

自然と、歌が楽しかった。ご縁に導かれ、オペラ歌手の道へ進んだ。

−さて、今回お話を伺うのは、日生劇場で上演される藤原歌劇団本公演「コジ・ファン・トゥッテ」7/1、3にドラベッラ役で出演される、山口佳子さんです。まずは、山口さんのこれまでの歌い手としての歩みをお伺いしてみたいと思います。山口さんは、いつ頃から音楽、そして歌の世界に興味を持たれたのでしょうか?

きっかけは、小学校の合唱クラブでした。私の通っていた小学校では4年生からクラブ活動が始まるのですが、仲の良いお友達が何人も合唱クラブに入り、放課後になると練習している曲などを教室で歌い始めるのです。その輪に入れないのがさみしくて、最初は違う部に入っていた私も「5年生になったら絶対合唱部に入ろう」と考えて、クラブを変えました。入ってみたら、すごく楽しかったですね!ピアノも、やっぱりお友達が弾いているのがうらやましくて始めたのですが、自然と続いたのは歌でした。しばらく経って高校受験のとき、いくつか受かった中で、たまたま母の友人が音楽科を教えている学校がありまして。もともと母も学校の先生だったので「この学校には、すごくいい音楽の先生がいるよ」と教えてくれて、その言葉に惹かれて学校を決めました。

−素晴らしい音楽の先生がいらっしゃるということが、決め手になったのですね。

そうですね、いい先生のもとで楽しく歌えそうだなという点が魅力でした。本当に素晴らしい先生で、今でもお付き合いをさせていただいています。また、音楽の先生といってもさまざまなご専門の方がいらっしゃると思いますが、たまたま声楽がご専門の先生で、ソプラノ歌手の中澤桂さんのお弟子さんでもあったのです。そのまま、先生が顧問をされているコーラス部に入り楽しく歌っていたら、1年生の終わりに先生からこんなお話をいただきました。「佳子ちゃん、すごく歌が好きなように見えるけれど、本格的に勉強してみるつもりはある?もしやってみたければ、中澤先生のところへ連れていってあげる」。それが、さらなるきっかけになりました。当時は、そのあとどうなるか深く考えずに「はい、やってみたいです!」とお返事をしたのですが(笑)。それから月に1回くらいレッスンに通うようになり、すると今度はコーラス部の先生と中澤先生との間で「佳子ちゃんは音大ね」という意見で一致したようで、受験のためのレッスンが組まれていきました。そう感じていただけたことはとても光栄なことでしたけれど、ピアノがそれほど弾けるわけでもなく、本格的なソルフェージュの勉強をしたこともなく、初めてのことばかりでなかなか大変な受験勉強でした。

−そうだったのですね。ご縁に引き寄せられるようにして、次々と道が開けていったのですね。

本当にご縁ですね。中学時代は、勉強も頑張っていて割と成績は良い方だったのですが、どの教科もまんべんなく取り組むタイプでした。それで、何とかその地域では進学校と呼ばれる高校に入ったのですが、高校に行きはじめると、周りに勉強に対してある種の“こだわり”を持っている子がたくさんいることに驚きました。「僕は、数学が好き」「私は、国語に自信がある」というように、自分はこれ、というものを持っているお友達を見て、「じゃあ私は何が好きなんだろう」としばし考えて立ち止まってしまった時期があったのです。勉強にも身が入らなくなって。もしかしたら、先生はそんな私を見兼ねて、歌の道を示してくださったのかもしれません。

山口佳子

−歌が、山口さんの歩む道となったのですね。音大受験といえばクラシック音楽がメインだと思いますが、もともと身近な存在だったのでしょうか?

いえ、実はそこまで身近ではなかったのです。合唱はほとんど日本の曲でしたし。ただ、父がクラシック音楽好きで、時々オーケストラの演奏会に連れていってくれることはありました。また、ちょうど三大テノールが注目されていた時期で、テレビでよく放送されていたので父と一緒になって私も観ていました。その頃はまだ自分がオペラ歌手になるとは思っていなかったのですが、テレビに出てくる外国人の大柄な男性が、何万人もの聴衆の前で大きな声で「Io t’ amo(愛している!)」という歌詞を叫んでいるという光景は、高校生の私にとってある意味大きなカルチャーショックでした。そこに、何か惹きつけられるものはありましたね。

−強い印象を残したのですね。でも、それが魅力だったと。そのように、クラシック音楽に触れる機会はあったのですね。

そうですね。ですので、クラシック音楽や声楽の世界には自然と馴染んでいけたと思います。それより、言語がこれまでと全然違うものなので、「歌詞のこの言葉はどのような感情で言うのだろう」ということへの興味が強くなっていきました。

−言葉の持つ、本質的な部分へのご興味が強まったのですね。東京藝術大学に進学され、本格的に声楽を日々勉強する生活が始まってみて、感じたことはありましたか?

入学当時、大学の小さな練習室に5、6人の学生が集まって受験曲を歌いあう会みたいなものがあって、「うわぁ、なんて上手な人がいっぱいいるんだろう」と感じました。けれど、歌の道のきっかけを下さった高校の音楽の先生が「藝大に現役で受かったけれど、いざ行ってみたらきっと上手な人はたくさんいるし、みんないろいろなことを知っているだろうと思う。話についていけないと感じるときもあるだろうけど、焦らなくて大丈夫だから」と言ってくださったので、その言葉を励みにしていましたね。

−心強いお言葉ですね。

はい。それから、私が大学2年生の夏、当時師事していた先生がお亡くなりになりました。そのため、その先生についていた生徒たちが別の先生のところへ離散していったのですが、私は自分の希望を聞き入れていただくことができ、大島洋子先生のクラスへ行くことになりました。大島先生は、歌いたい曲や挑戦したいコンクール、演奏会などをひとつひとつ容認してくださり、すごくのびのびと学べるようにご指導くださったので、とても感謝しています。

オペラの楽しさを見出したのは、「コジ・ファン・トゥッテ」。

これもすごくご縁を感じるのですが、今回出演する「コジ・ファン・トゥッテ」という演目、実は私が大学でオペラ・デビューをした作品でもあるのです。東京藝大では、秋の学園祭で1年生は合唱、2年生はガラ・コンサート、3年生はオペラをやるという伝統がありまして、私が大学3年生の時、演目が「コジ・ファン・トゥッテ」だったのです。学年内でオーディションが開かれ、私はデスピーナ役を受けたのですが、フィオルディリージ役を受けた人が少なかったようで、演出家の方と指揮者の方が私に「フィオルディリージも歌ってみませんか」と声をかけてくださったのです。あいにくデスピーナの練習しかしていなかったのですが、楽譜を渡されて歌ってみたら、なんとそのまま通ってしまいました。

−すごいですね!そして、本公演に通じる作品がここで登場するとは思いもよりませんでした。

そうなのです。私にとって初めて1本通して勉強したオペラで、「オペラって本当に面白いんだな」という気づきを得た最初の体験でもあるので、すごく思い出深い作品です。練習でアリアに向かうためのレチタティーヴォ・アッコンパニャート(オーケストラ伴奏付きの朗唱)を練習していたとき、歌詞の内容、音楽の動き、体の動きや表現とがピタッ、ピタッと合っていく感覚。指揮を振ってくださった先輩も、演出をしてくれたお友達がすごく優秀だったこともあると思うのですが、とにかくひとつひとつが合致して「本当にこの役の、この歌詞の気持ちになれた!」と実感する瞬間が、オペラの奥深さを知る原体験になりました。

−なるほど、そんな思い出深い「コジ・ファン・トゥッテ」、本公演についても後ほどまた詳しくお聞きしたいと思います。さて、もうひとつ、山口さんにはヨーロッパでのお話もぜひ伺いたいのですが、まずイタリアに行かれたきっかけというのはあるのでしょうか?

はい、イタリアに行きたかったいちばんの理由は、先ほどもお話しした言語への興味ですね。言葉って、気候風土や伝統文化、ものの考え方や価値観などいろいろなものと結びついていると思うのです。イタリア語を歌うにあたって、イタリア語のネイティブではない私がいかに言葉本来の表現に近づけるか、理解できるかは、やはり生きた言語に触れることにかかっていると感じたのです。先ほどの「愛している!」のように、自分の中に沸き起こる気持ちを伴ってその言語を発したという体験がないと、血の通った言葉にならないのではないかと。想像だけではなくて、身をもって経験することが核となると思うので、そこが留学を通して得られたいちばんの収穫でした。あとは、文化の違いに触れられたことも大きかったですね。私もそういうところがありますが、日本人はどうしてももの怖じして前に出られない気質の方が多い気がするのです。けれど、オペラは共同作業だし、協力し合いながらも自分を前に出したり、守ったりすることも考えなければならない。イタリアでは、若い人でも「私はこう思う」「こう歌いたい」といった意見が、スッと自然に出てくることが多くて、それを見て自分も強くならなければいけないなと思いました。あとは、ワインが飲めるようになりました(笑)。

−ワイン、いいですね!それまでは、あまり飲まれなかったのですか?

日本に居た頃は、飲むとしたら焼酎でしたね。ミラノにいたのですが、日本人のお友達とルームシェアをして二人で住んでいて、彼女がとてもお料理上手だったのです。すぐ近くに公園があってよくマーケットが出ていたので、小さいアジを買ってきて南蛮漬けにしたり、イタリアで売っている食材を使っておせちづくりに挑戦したりしました。だて巻き、出来ましたよ(笑)。

2013年トリエステ歌劇場「カルメン」リハーサル風景
山口は写真中央のミカエラ役

2013年トリエステ歌劇場「カルメン」のカーテンコールの様子

−イタリアでだて巻き、出来るのですね!もうひとつ、イタリアでロッシーニ・オペラ・フェスティバルに参加されたお話も伺ってよろしいですか?

はい、これもいろいろとご縁がある話で、まず学生時代、私がたまたまイタリアのペーザロに遊びに行ったことにはじまります。お世話になっていた先生のご友人を訪ねて行ったのですが、ご厚意でロッシーニ・オペラ・フェスティバルも見て回ることができて、その時かかっていた演目が「ラ・チェネレントラ」だったのです。それで「ラ・チェネレントラ」が大好きになって帰ってきたら、今度は藝大の学生有志が行っていた《オペラ・プロジェクト》で「ラ・チェネレントラ」をやるという話が挙がり、絶対にやりたい、と。それとはまた別のご縁で、イタリアでの歌の先生がマルゲリータ・グリエルミ先生といって、「ラ・チェネレントラ」に登場するクロリンダ(継母の姉娘)歌いのスペシャリストだったのです。なので、私自身クロリンダの役を勉強し、念入りに仕上げていただきました。そんな各方面のご縁のあと、藤原歌劇団の本公演で故アルベルト・ゼッダさんが指揮する「ラ・チェネレントラ」のクロリンダを歌わせていただくことになったのです。私にとっては、学生時代に勉強していたロッシーニの、オペラのボーカルスコアに監修者としてお名前があり、ずっと憧れていた、ゼッタさんとのお仕事と言う事ですごく嬉しく、翌月にイタリアでアカデミア・ロッシーニアーナのオーディションがあることを知って単身、乗り込むようにして行きました。「この間のクロリンダです!」と言ってオーディションを受けたら、なんとか受かりました。たくさんのレッスンを受けられましたし、舞台経験もできましたし、とても有益な時間でしたね。

−得るものが多いアカデミーだったのですね。イタリアでの多くのご経験から、今の山口さんが形作られていったのだと感じられます。

イタリア生活中の山口

2005年 藤原歌劇団公演「ラ・チェネレントラ」
左から山口佳子(クロリンダ)、久保田真澄(ドン・マニーフィコ)、但馬由香(ティーズベ)

「今の私ならできるかもしれない」。ドラベッラで魅せる人間の性。

−山口さんは、「今の自分が何をしたらお客様に楽しんでもらえるか」という視点を常に意識していらっしゃる姿が印象的でもあります。

そうですね、わりと自分を客観視している部分はあるかもしれません。今回「コジ・ファン・トゥッテ」のドラベッラ役も、今までだったら頭にない選択肢でした。先ほどもお話ししたように、作品デビューではフィオルディリージ役で、その後はデスピーナ役を多く歌ってきました。ドラベッラはメッゾ・ソプラノが歌うことも多い役なので、ソプラノの私にこのオファーが来たことは青天の霹靂で、最初はどうやるのか想像もつきませんでした。けれど、若いうちは中音域が少し鳴りづらいことが多いソプラノも、歳を重ねるにつれてだんだん声色がふくよかになってきて、音色の表現も豊かになってくる。加えて、今回のドラベッラのキャラクターは「情熱的で高揚するタイプ」ということで、今までキャッキャとした役は比較的経験してきていることもあり、今の自分だったら声とキャラクターとをうまく合わせて形にできるかもしれない、という可能性を見出せたのです。

−その予感は、間違いないと思います。やはり冷静に、ご自身が説得力を伴って表現できるかを見つめていらっしゃるのですね。自然な流れで「コジ・ファン・トゥッテ」のお話に入ってきていますので、ここで改めて本公演に対する意気込みをお聞かせ願えますか?

はい。最初に演出家の岩田達宗さんからコンセプト説明を伺って、今回は私がこれまで「知っている」と思っていた「コジ・ファン・トゥッテ」ではないかもしれないと感じました。なので、しっかりと岩田さんがこの作品で描こうとしているメッセージ性を自分の中で咀嚼して落とし込んでいきたいと思います。

−これまで知っていた本作とは違いそう、というのは興味深いですね。

そうなのです。「コジ・ファン・トゥッテ」というと、明るくて楽しい喜劇のイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、今回はもう少し人間の本性を暴くということに焦点を当てているような気がします。だからこそ、個人的には若い人にこそ見ていただきたいと感じています。なぜなら、このオペラに登場する主要なカップル4人がすごく若いからです。若い頃って、人生の中で初めて自分のダメなところや汚いところ、ずるいところなど負の側面を意識して、乗り越える瞬間があるのではないかと思うのです。例えば作品の中でいえば、親が決めた婚約者がいるにも関わらず別の相手を好きになってしまう。前者は外的な要因で、後者は自分の中から湧き起こる衝動のようなもの。そして、乗り越えた先にどうなるのか、その辺が描かれているオペラだと感じます。フィオルディリージは特に「こうでなければいけない」という思いが強い性格で葛藤が分かりやすいですが、私の歌うドラベッラは、自分の中に生まれた矛盾を「それでいいのよ」とスッと受け入れていく。その快活さがアリアにも出ていると思うので、私自身もしっかりと描き分けて、お客様にメッセージが伝わればいいなと考えます。舞台芸術には、そういう役割もあると思うのですよね。

山口佳子

−そうですね、ぜひ、若い方に観ていただきたいですね。共演者についてもお聞きしますが、今回共演される方々は初めましての方が多いですか?

ドラベッラの姉、フィオルディリージ役の迫田美帆さんは、今回初めてご一緒します。ご年齢は私より若いのですが、すごくしっかりされていますし、サントリーホール オペラ・アカデミーのご出身でもいらっしゃるとのことで、私も若い頃そちらで勉強していた経緯もあり共通点があって心強いです。グリエルモ役の岡昭宏さんはご一緒したことがありますし、フェランド役の山本康寛さんは藤原歌劇団本公演の「ランスへの旅」で共演しました。デスピーナ役の向野由美子さんは昔からよく存じ上げていて、大好きなお姉様的存在です。ドン・アルフォンソ役の田中大揮さんは、以前私がデスピーナで出演した「コジ・ファン・トゥッテ」で、グリエルモとして共演しました。皆さんすごくいいメンバーです。

−以前共演していても、また違った役どころでご一緒すると新しい化学反応が起こりそうで、ワクワクしますね。演出の岩田達宗さんや、指揮の川瀬賢太郎さんについても何かエピソードがあればお聞かせいただけますか?

はい。藤原歌劇団で岩田さんとご一緒するのは「カルメン」「ジャンニ・スキッキ」に続いて3回目です。いつも台本の読みが深く、作品の歴史的背景についてもお詳しいのですごいなぁと感じています。歌い手とも積極的にディスカッションしてくださる方で、以前つけてくださった演出に対して歌い手たちの中で「違う方法の方がいいのではないか」という意見が挙がった時など、最終的に「そっちの方がいいと思います、すみませんでした!」と受け入れてくださったことがあり。その柔軟性のある、お互いを認め合ってくださる姿勢が素晴らしいなと感じます。川瀬さんは今回2回目のご一緒で、最初は私の地元でもある八王子の「八王子市制100周年記念事業」で、「アイーダ」を上演したときです。私はその時「巫女長」という役だったのですが、妊娠中だったので体の使い方や音程の取り方などがうまくいかない時があり、そんな時に川瀬さんがすごく気を遣ってくださり、助けていただいた思い出があります。

−皆さん心強いメンバーで、素敵な舞台が仕上がりそうですね。最後に、ここを楽しんでほしいというポイントがあれば伺えますか?

今回、やはり今までの「コジ・ファン・トゥッテ」とはかなり違ったものになるのではないかと思うので、初めての方はもちろん、何度もご覧いただいている方でも新鮮なお気持ちで楽しめるのではないかと思います。それに、とにかく音楽が素晴らしいという点は大きなポイントです。歌の、それぞれの性格を持った音とオーケストラとの融合で、いい音楽作りができると思いますので、ぜひお聴きいただきたいです。

−新鮮な舞台と音楽、必見ですね。お話ありがとうございました。

<聞いてみタイム♪>

アーティスト・山口佳子さんに、ちょっと聞いてみたいこと。

−さて、「聞いてみタイム♪」のコーナーです。今回は、いくつかご質問をご用意して山口さんの意外な一面に迫りたいと思います。

1. もう亡くなった音楽家で、一人だけ復活させられるなら誰を選びますか?理由と合わせて教えてください。

たくさんいて、考えてしまいますね!イタリアでの先生だったマルゲリータ・グリエルミ先生は、クロリンダ役の他に「ラ・ボエーム」のムゼッタもよく歌われていた方なのですが、レッスンでよく「クライベル、クライベル」と言われて。指揮者のカルロス・クライバーのことなのですよね。(クライベルはイタリア語読み。)ボエームで一緒にお仕事をされた時に、お互いの音楽が一緒になったなんともいえない瞬間があって忘れられない、とよくおっしゃっていて、生で聴いてみたかったなと思います。

2. どこにでも行けるなら、どこに旅したいですか?

なかなか行けないと思いますが希望だけを述べると、マチュピチュのようなすごい山の上とか、湖がすごく美しい場所とか、人の手があまり加わっていないような原風景を見に行きたいですね。

山口佳子

3. 新しいスキルを1つマスターできるなら、何を選びますか?

…WEBデザイナーでしょうか。今っぽいスキルですし(笑)。私はコンサートのポスターやチラシなどを作るのもすごく好きなのですが、自分自身に専門スキルがあるわけではないので、もしできたら面白そうだなと思います。昔だったら、絵描きになりたいと言っていたと思います。

-デザインや絵作りを考えたりするのがお好きなのですね。

そうですね、小さい頃から興味があったと思います。自分で思い描いているものを自分で形にできたら、いいですよね。

-叶わない夢ではないというところに、また夢がありますね。楽しいお話、ありがとうございました!

PROFILE:Soprano 山口佳子

山口佳子

東京藝術大学卒業、同大学大学院修了。2005年より3年間、江副財団奨学生及び文化庁派遣芸術在外研修員としてイタリアに留学。第11回オルヴィエート国際コンクール第1位。中澤桂、木村宏子、大島洋子、五十嵐麻利江、M.グリエルミ、W.マッテウッツィの各氏に師事。
 05年ロッシーニ・オペラ・フェスティバル「ランスへの旅」にコルテーゼ夫人で出演し注目を浴び、以降「ラ・ボエーム」ムゼッタ、「セビリャの理髪師」ロジーナなど欧州各地の公演に参加。13年にはトリエステ歌劇場「カルメン」にミカエラで出演するなど、海外でのキャリアを積んでいる。国内でも、サントリーホール・アカデミー公演など数々のオペラで「コジ・ファン・トゥッテ」デスピーナ、「ミニョン」フィリーヌ、「アラベッラ」ズデンカ等、様々な役で高評を得ている。
 藤原歌劇団には、05年「ラ・チェネレントラ」のクロリンダでデビュー。以降、「ランスへの旅」コルテーゼ夫人およびデリア、「カルメン」フラスキータで出演。また、帝国ホテル/ジ・インペリアルオペラでは、「こうもり」アデーレ、「メリー・ウィドウ」ヴァランシェンヌ、「フィガロの結婚」スザンナ、「ジャンニ・スキッキ」チェスカに出演し、好評を博している。
 また、NISSAY OPERA 2016「セビリアの理髪師」ベルタの他、「第九」「メサイヤ」等のソリストとしても活躍。「与謝野晶子みだれ髪」「智恵子抄」など邦人作品への出演も多い。21年3月よりファーストアルバム「山口佳子/ミロワール」好評発売中。
 藤原歌劇団団員。日本オペラ協会会員。東京都出身。

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