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BOFについて

Belcanto Opera Festival In Japan
ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン(BOF)について

 文化庁平成30年度戦略的芸術文化創造推進事業の一つとして、イタリア「ヴァッレ・ディトリア音楽祭」と提携し、次世代のオペラ界を担う若手を育て新たな創造を目指す「ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン」(BOF)が始動する。
 ヴァッレ・ディトリア音楽祭は47年間開催している伝統ある音楽祭であり、「アルベルト・ゼッダ」や現在音楽監督務める「ファビオ・ルイージ」など、多くの著名なアーティストがこの音楽祭に精通している。そして、音楽祭の特色として今まで滅多に上演されなかった作品や初演の作品とバロックオペラの2本を公演の主軸として、ヨーロッパの中でも重要な音楽祭となっている。また、音楽祭の時期に合わせてアカデミアが開講されており、オーディションで選抜された優秀な若手歌手の育成にも長けている。
 BOFは第一回目に日本初演となるS.メルカダンテ作曲オペラ「フランチェスカ・ダ・リミニ」を上演、第二回目のBOF2019よりヴァッレ・ディトリア音楽祭の音楽スーパーバイザーであるカルメン・サントーロ女史が芸術監督に就任し、A.スカルラッティ作曲オペラ「貞節の勝利」、バロックコンサート等を成功に導く。また、毎回若手歌手の為のマスタークラスを自ら手掛け人材育成の分野でもその手腕を発揮している。

芸術監督より ご挨拶

カルメン・サントーロ
カルメン・サントーロ

プロフィール

 このベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン【以降“BOF”】の日本における誕生を当初から見届けることができたのは幸いでした。また、ベルカントに対する高い関心と情熱、そして、P.グラッシ、R.チェッレッティ、A.ゼッダ等のイタリア音楽と文化の大家たちが誕生を望み、彼らに支えられてきた M.フランカのヴァッレ・ディトリア音楽祭が有す価値と理念への熱意に気づくことができたことは、とても嬉しいことでした。
 このように学識と芸術に富む文化的環境に見守られ、数多くの音楽家、歌手、指揮者たちがそこで誕生し、成長を遂げてきました。その中でも、指揮者のF.ルイージに触れたいと思います。彼はまさに M.フランカにて、先ずはコレペティとして、その後指揮者としての活動を始めたのです。私たちは、M.フランカで共に幾度もの音楽祭をこなし、多くの音楽的経験を積み、そこで幸運にも共演の叶った偉大な巨匠たちから多くのことを一緒に学んだのです。
 BOFは第3回を終えたばかりです。もはや周知の防疫問題に起因して、あいにくと素晴らしいオペラ作品が延期とならざるを得ない事態にはなりましたが、フェスティバルの芸術的かつ文化的資質の高さを見せつけ、そこで提供された芸術性の高い公演に、観客の皆様からも高い評価を得ました。
 このフェスティバルは誕生後まだ日が浅いですが、素晴らしい価値を内に秘め、それらは学術探究・育成・プロモーション・公演制作といった大きなチャレンジの機会と可能性としても提案されているのです。歌手・ピアニストといった日本の若手芸術家の育成とプロモーションは、我々の強みの一つです。
 そこでの希少かつ高雅な作品の探究と上演により、私たちのフェスティバルは、現在の日本〔のオペラ界〕を展望する中で、最も評価が高く洗練されたフェスティバルの一つとして位置づけられています。また、ベルカント・ジャンルに関する造詣と公演制作への想いは、我々二カ国の国民の間で大いに似ている点の一つであり、繊細さ、嗜好、精緻さ、優美さ、謙虚さは、我々の感性に直接的に語りかけてくるものだと私は考えています。
 BOFが益々の発展を遂げ、皆様にとって文化・芸術的豊かさがより充実したものとなっていくことを願っております。

オペラストゥーディオについて(カルメン・サントーロ芸術監督によるマスタークラス)

ベルカント唱法は19世紀前半には最高域に到達した歌唱芸術の宝であり、広音域に亘って無理のないしなやかで伸びのある声を生み、効率的かつ自由度の高い発声技術を駆使し、絶世なる美を構築する歌唱法である。しかしながら19世紀半ばからヴェルディ、ワーグナー、プッチーニ等のオペラ作曲家が台頭し、劇的で力強い調べが私たちの心を掴み揺さぶり続け、ベルカントを置き去りにしつつ新たなオペラの世界に引き込む状況が続いた。
このような時代に一石を投じたのがヴァッレ・ディトリア音楽祭である。
その背景には音楽祭の初代芸術監督を務めていたベルカント唱法の権威であるロドルフォ・チェッレッティの思想が今もなお引き継がれており、フェスティバルの成功へ導いている。
ベルカント・リナシメントの波に乗るべく藤原歌劇団はヴァッレ・ディトリア音楽祭と提携し、オペラ公演だけでなく、未来のベルカント歌手を育てるためにヴァッレ・ディトリア音楽祭で若手の時よりかの有名な指揮者ファビオ・ルイージと共に学び、現在では音楽監修をしているカルメン・サントーロ芸術監督自身が教鞭をとるマスタークラスを開催することに至る。
現在、第一回~第三回までにオーディションに勝ち残った若手歌手27名、コレペティ9名が受講し、大きな成果を上げている。

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