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作品について

竹内一樹 作曲 宇吹 萌 台本
オペラ全1幕<日本語上映>

一歩一歩、まっすぐまえへ──。

 

 

イントロダクション

 日本オペラ協会が今秋お届けするのは、オペラ「咲く〜もう一度、生まれ変わるために〜」をニュープロダクションにて公演いたします。本作は、平成30年度、令和元年及び2年度に受託した文化庁委託事業“次代の文化を創造する新進芸術家育成事業”「日本のオペラ作品をつくる~オペラ創作人材育成事業(Ⅰ期~Ⅲ期)」(主催:文化庁/昭和音楽大学、企画協力:日本オペラ振興会)において、最優秀作品として高い評価を得ました。東京オリンピック・パラリンピックと同時期に創作されたスポーツをテーマとしたオペラとして話題となった本作品は令和2年11月に演奏会形式で演奏され、この度日本オペラ協会が本格的なオペラ形式での初演として委嘱上演いたします。
 現代日本を舞台に、若きアスリートと家族、そしてシンボルである「桜」を重ね合わせ、各々の心情を美しく描き上げた新作オペラ「咲く」。今回は、怪我により引退を余儀なくされたかつてのマラソンランナー飯田聡子に丹呉由利子(11/25昼&11/26)と長島由佳(11/25夜)、飯田家の庭に咲く桜の木に芝野遥香(11/25昼&11/26)と相樂和子(11/25夜)と、フレッシュで華やかな布陣を配しました。聡子を取り巻く人々に、渡辺 康、黄木 透、立花敏弘、大塚雄太、佐藤みほ、吉田郁恵といった日本オペラに定評のある出演者でお届けいたします。指揮は本公演で当会デビューとなる平野桂子、演出は文化庁事業のファシリテータを務め、劇団青年座の演出家として活躍している齊藤理恵子が担います。秋晴れの日差しの中あたたかに桜舞うオペラを、「Hareza池袋」のエントランスゲートとして新たに生まれ変わった「としま区民センター」で、心ゆくまでご堪能ください。

あらすじ

 都内にある飯田家の縁側。庭には一本の桜の木。ここに暮らす聡子は、国体出場も果たした有望なマラソンランナーだったが、周囲の期待に応えようと激しいトレーニングに励んだ結果、怪我により引退を余儀なくされた。かつて聡子と同じようにオリンピックを目指していた聡子の父・俊幸が亡くなった一家は、春までに土地を売却し立ち退かなければならなくなった。引っ越し準備をしながら、この土地で生まれ育った聡子の脳裏に様々な思いがよぎる…。
 聡子の引退と同じく、飯田家の桜がてんぐ巣病にかかったことがあった。聡子の母・貴美子は桜を切ることを提案したが、俊幸の懸命な枝の切除作業により桜は奇跡的に回復した。俊幸は、引退後も聡子から何らかの形で陸上競技に関わることを望んでいたが、貴美子は聡子が陸上競技に関わり続けることに反対していた。かつてオリンピックを目指して叶わなかった俊幸の葛藤を忘れることが出来ずにいたのだ。家族の愛に見守られながら揺れ動く聡子の感情…。果たして聡子は、もう一度陸上の道に返り咲くことができるのだろうか。

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