BOFについて
Belcanto Opera Festival In Japan
ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン(BOF)について
文化庁平成30年度戦略的芸術文化創造推進事業の一つとして、イタリア「ヴァッレ・ディトリア音楽祭」と提携し、次世代のオペラ会を担う若手を育て新たな創造を目指す「ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン」(BOF)。ヴァッレ・ディトリア音楽祭は48年間開催している伝統ある音楽祭であり、アルベルト・ゼッダや現在音楽監督を務めるファビオ・ルイージなど、多くの著名なアーティストがこの音楽祭から輩出されている。上演機会の少ない作品や初演の作品、バロックオペラの2つを公演の主軸としたこの音楽祭は、ヨーロッパの中でも重要な音楽祭となっている。また、音楽祭の時期に合わせてアカデミアが開講され、オーディションで選抜された優秀な若手歌手の育成にも長けている。
BOFは第1回目に日本初演となるS.メルカダンテ作曲オペラ「フランチェスカ・ダ・リミニ」を上演、第2回目のBOF2019よりヴァッレ・ディトリア音楽祭の音楽スーパーバイザーであるカルメン・サントーロが芸術監督に就任し、同年のA.スカルラッティ作曲オペラ「貞節の勝利」、BOF2021でのN.ヴァッカイ作曲オペラ「ジュエリエッタとロメオ」を成功に導く。また、毎回若手歌手のためのマスタークラスを手がけるなど、人材育成の分野でもその手腕を発揮している。
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カルメン・サントーロ/ Carmen SANTORO
ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン芸術監督/ヴァッレ・ディトリア音楽祭音楽スーパーバイザー
イタリア、マルティーナ・フランカ生まれ。これまでにチューリッヒ歌劇場、ソフィア王妃芸術宮殿、アン・デア・ウィーン劇場、モスクワ・ボリショイ劇場、ボローニャ劇場、ナポリ・サンカルロ劇場、ロッシーニ・オペラ・フェスティバル、マルティーナ・フランカのヴァッレ・ディトリア音楽祭、ウェックスフォード・オペラ・フェスティバル等にコレペティトゥールとして関わっている。またロンドンのロイヤルカレッジオブミュージック、チューリッヒオペラスタジオ、ボリショイ歌劇場の若いアーティストの為のプログラム、ヴァレンシアのプラシド・ドミンゴ・プロフェッショナルセンターでヴォーカルコーチとして指導にあたる。
2012年からチューリッヒ歌劇場で指揮者ファビオ・ルイージ氏のアシスタントを務める。マルティーナ・フランカのアカデミー「パオログラッシ」の音楽ディレクターであるファビオ・ルイージのアシスタント、そしてフェスティバルの音楽スーパーバイザーも務めている。
ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン芸術監督。
芸術監督より ご挨拶
ここに第5回ベルカントオペラフェスティバル開催を宣言できることを、心より嬉しく、また誇らしく思います。
本フェスティバルは、創立以来、それまでにない極めて興味深いレパートリーを取り上げることで日本のオペラシーンにおける大変重要かつ革新的な役割を担ってきています。事実、第4回までの指標となったのは、イタリア・オペラに特有なイタリア・ベルカント様式であり、それは後世においても、オペラという芸術発展の土台となった ものでした。
既知の防疫上の労苦に悩まされた時でさえ本フェスティバルは情熱を持って推し進められ、日本の聴衆の皆様との素晴らしい絆を育みながら、その成功を徐々に大きなものとしてきました。それゆえ、まだ歴史の浅い本フェスティバルにとって非常に重要な記念すべきこの第5回を、世界の名立たる劇場に勝るとも劣らない演目とキャストで祝えることを誇りに思い、確かで卓越した演奏と歌唱水準を、極上の内容にてご提案できることを大変誇らしく思います。
ロッシーニのオペラ・セリアである「オテッロ」を初めて上演するのですが、非常に興味深い本作品は大変な難曲であり、名立たるキャストを必要とします。今回、タイトルロールに大スターであるジョン・オズボーンを迎えられることを心から嬉しく思っています。そして、その脇をデズデーモナ役のレオノール・ボニッジャ、またロドリーゴ役のミケーレ・アンジェリーニがかためます。これまでと同様に完全に我々の手による、未発表で世界初演となる上演になります。演出をルイス・エルネスト・ドーニャス、舞台美術をキアーラ・ラ・フェルリータ、そして衣裳をエリーザ・コベッロが手掛けます。
また、「オテッロ」2回公演の中日には、毎回講評を博しているバロックコンサートが開催され、ウィーン在住の著名な米国カウンターテナーであるレイ・シェネーが、日本のお客様の前に初登場します。
例年通り、今回もシンポジウムが開催されます。ゲストの中には、ミケーレ・ペルトゥージ氏もおり、偉大なロッシーニ・バスであり、同作曲家のオペラ・セリアとイタリア・ベルカントにも極めて精通している彼を迎える光栄と喜びを感じています。彼とその他の登壇者にとって、ロッシーニの個性と作品にはどのような違いがあるのかを見極めて、分析することが討論の課題となります。
アカデミーでの試みは今回も続き、日本の若手プロ音楽家たちにはベルカント・レパートリーに取り組んでもらい、エドアルド・ズッケッティ演出の下でドニゼッティ作曲のオペラ「パリのジャンニ」をピアノ伴奏で上演する機会を提供します。
節目となるこの機会に胸躍らせ、私達は皆様をテアトロ・ジーリオにお迎えする日を心待ちにしております!
オペラストゥーディオについて
藤原歌劇団はヴァッレ・ディトリア⾳楽祭(マルティーナ・フランカ)と提携し、⽇本におけるベルカントオペラの新たな創造を⽬指し、「ベルカントオペラフェスティバル インジャパン」(BOF)と称し、第 1 回の 2019 年 3 ⽉に S.メルカダンテ作曲オペラ「フランチェスカ・ダ・リミニ」(⽇本初演)、第2回では 2019 年 11 ⽉には A.スカルラッティ作曲のバロックオペラ「貞節の勝利」、BOF2021 では N.ヴァッカイ作曲オペラ「ジュリエッタとロメオ」(⽇本初演)を上演いたしました。
本オペラ・ストゥーディオは第1回⽬のフェスティバルより開講されており、ベルカント様式を⾝につける歌⼿の育成を⽬指し、BOF 芸術監督の C.サントーロ⼥史のマスタークラスを軸とし、オペラ公演で来⽇する⼀流の指揮者・演出家・歌⼿のワークショップを受講することができる貴重な機会となっております。