2020年10月19日、『2020年度 特別授業 オペラ歌手育成部40周年記念 育成部顧問 及川貢先生の講話 ~藤原歌劇団のあゆみから見る日本オペラ界の歴史~』と題し、当オペラ振興会育成部の顧問であり、初代の部長をお務めになった及川貢先生による特別授業を開講しました。
ご自身も藤原歌劇団団員としてご活躍なさった及川先生は、NHKのイタリア・オペラ公演では1961年の第3回から第8回まで全ての公演に合唱メンバーとしてご参加。
1975年からは藤原歌劇団合唱部常任指揮者に就任され、34年間第一線でタクトをおとりになりました。
藤原歌劇団、そして日本のオペラ界の生き字引と言っても過言ではない及川先生による講義は、日本のオペラを築いてきた先駆者たちの熱い想い、興味深くも貴重な舞台裏の様子等が、先生の軽妙な口上も相まって聴講生へ色鮮やかに伝わってきます。
今日程豊かではなかった往日の、人々の心に灯った舞台芸術の光明。
当代随一の歌手が来日し、花開いていく日本のオペラ文化。
いかにして舞台を上演してきたのか、その葛藤と情熱をまさに当時を駆け抜けていらした先生のお言葉に触れ、育成部生一同、舞台へかける熱い想い、そして人間の可能性とそれがもたらす奇跡的な共時性の妙に心が震えると同時に、背筋が正されるの
を覚えたのは、これからを担っていくバトンを受け取ったからに違いありません。