今回は、本公演が藤原歌劇団に初登場となる、エンリーコ役のカルロ・カン(12/9)です♪♪
—エンリーコ役の“ここを見てほしい!”という注目ポイントを教えてください!
『エンリーコという役は一般的に邪悪な人物だと思われがちですが、私は非常に人間的な人物だと思っています。
実は妹を愛しており、一族を守ろうとする心にその事を感じるのです。
音楽的観点から言えば、エンリーコは実にベルカント的な書法で書かれています。
ベルカントは、低音から高音まで全域にわたって、ほぼ均質で流麗な音色を維持した歌唱を求められるので、とりわけルチアとの二重唱では、アジリタにとどまらず、pp(ピアニッシモ)とff(フォルティッシモ)双方ともに息の流れに乗った歌唱が要求されています。
ドニゼッティは管弦楽法に秀でており、歌手はオケと融和した演奏を心がけなければなりません。
ベルカント的オペラは時にやや退屈な感じで捉えられますが、織り成す音楽は極めて情緒的であり、素晴らしい舞台が伴うとそれはさらに見事なものと化します。
私も単にきっちりと歌うだけではなく、どの様な事態の中で、エンリーコが何を心に抱いているのかを役者としても演じたいと思っています。
私にとってこの「ルチア」の中で最も魅力的な瞬間は、婚礼のシーンの直後にある六重唱です。
各々が自らの思いと感情を見事に語りますが、音楽はそれらのアンサンブルを鮮やかに紡ぎあげています。
これこそベルカントの真髄であり、われわれ歌手はこの瞬間に最も集中しなければならないのです。』
—藤原歌劇団にデビューとなる今回の公演への想いをお願い致します!
『藤原歌劇団でのデビューに臨み、とりわけエンリーコ役で飾れることに満足と感動で満たされています。
と言うのも、1999年のビルバオ・アリアーガ劇場にて欧州デビューを果たした際にもエンリーコを歌ったのです。
この役は私の声質にとても適していると思っており、藤原歌劇団の公演にいらっしゃる素敵な聴衆の皆さんの前で最高のパフォーマンスをしたいと思います。
藤原歌劇団公演の水準の高さは既に韓国にも伝わってきています。
今回も、皆が集中して厳しい稽古を積んできており、両キャストとも、歌手は全員が公演に向けてしっかりとした素晴らしい準備を重ねています。
この「ルチア」の後には、来年の「ドン・ジョヴァンニ」で日本の皆様にお目にかかれることでしょう。』
既にヨーロッパをはじめ世界各国、また自国韓国でも大活躍中のカルロ・カンさん。
今回は得意役のエンリーコで藤原に初登場です!
来年7月の「ドン・ジョヴァンニ」ではタイトルロールを務めます。
カルロさんの、今後の藤原での活躍もお楽しみに!!
ルチア公演特設サイトはこちらから👇♪
CiaOpera Vol.16では12/10ルチア役の坂口裕子の密着インタビューを掲載中!!
是非ご覧ください👇♪