キャストコメント第3弾は、与ひょう役を演じる藤田卓也(7/1)と海道弘昭(7/2)からのメッセージをご紹介します✨
♪藤田卓也
★与ひょう役の“ここを見てほしい!”という注目ポイントを教えてください。
「ある晩、寝ようとしていた時家に入ってきたつうを、何の疑いもなく女房として受け入れた与ひょう。
そもそも、普通では考えられないこの純粋さが与ひょうの全てです。
この純粋さは、とてつもない強さの可能性を秘め、とてつもなく何かを傷つける可能性を孕みます。
この度、与ひょうにとってのキーワードは【都】と言えます。
それはつうが教えてくれた世界。つうが見たつうにしか言い表せない景色。
その憧れの都に”つうと一緒に”行くことを強く願ってしまって、都に行くことはおろか、つうを失ってしまいました。
しかし、きっと与ひょうは最後に織られた2枚の布のうち1枚はずっとずっと大事に持って暮らしていくでしょう。」
★今回の公演への想いをお願い致します!
「私は夕鶴の舞台に関わる際、必ず思い出す記憶があります。
小学1年生の時、地元のお祭りで売られていた柔らかい黄色の可愛いヒヨコを父に頼み込んで買って貰ったのです。
すごく可愛くて。絶対大切に育てようと思っていましたが翌朝ヒヨコは死んでいました。
なぜ…なぜ…なぜ…。
もうダメだと家族に言われても心臓マッサージをしてみたり手の中で温めてみても生き返りませんでした。
死なせてしまった後悔と恐怖は私の人生で消えることはありません。
この作品で、人間は勝手をしましたが、つうは死んではいません。トリカエシがついて良かったのです。
この度、日本オペラ協会デビューとなります。
最高峰の日本オペラの舞台に立たせていただけますことに感謝し、精一杯演じさせていただきます。」
♪海道弘昭
★与ひょう役の“ここを見てほしい!”という注目ポイントを教えてください。
「『与ひょうの生まれはどこなのか、家族はなぜいないのか。』
夕鶴の上演史で、素晴らしい名テノールが与ひょう役を演じてきた中、バックとなるストーリーについての疑問は今まで持った事がありませんでした。
ただなんとなく、与ひょうと言う漠然としたキャラクターの印象は強く残っていて、この印象はもはや伝統の様にテノールからテノールに継がれている様に思います。
その『与ひょう』に対する先入観をどう取り払って、誰かが演じたものではなく、自分の『与ひょう』を見つける事が出来るかが自身にとっては本公演最大のチャレンジとなります。
つうとあれだけ約束していたのにも関わらず、布を欲してしまった理由、都への強い憧れを鮮明に自身の口から語る瞬間。
セリフには無い情景を客席へお届けしたいと思います。」
★今回の公演への想いをお願い致します!
「『夕鶴』という作品との出会いは、群馬オペラ協会でした。
自分の師匠である角田和弘先生が与ひょうを歌い、星出豊先生の指揮でした。
当時はまだ学生で、師匠が歌うからという理由で客席で観劇していましたが、顔がぐちゃぐちゃになるほど泣いた事を覚えています。
次の日には早速、楽譜店で楽譜を購入しました。
母語日本語で直接伝わる音楽の心への到達力は想像を超えていて、琴線を言葉が直接震わせてきます。
その時の感動をそのまま保存したこの楽譜を、今回自分自身で開く瞬間がやってきました。
どうか1人でも多くの方にあの時に自分が感じたその激情を、この公演を通して少しでも共有して頂ければと思います。
どうぞご来場ください。」
誰もが知る民話が名作オペラとして生まれ変わった「夕鶴」の感動を、ぜひ改めてご堪能ください✨
新百合ヶ丘駅から徒歩4分のテアトロ・ジーリオ・ショウワにて、皆さまのご来場をお待ちしております❣️
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