キャストコメント第6弾は、フランチェスコ・フォスカリ役を演じる、押川浩士からのメッセージをご紹介します✨
★フランチェスコ・フォスカリ役の“ここを見てほしい!”という注目ポイントを教えてください!
日本で二回目の上演となる「二人のフォスカリ」。
初めてご覧になる方も多いのではないでしょうか。初めて観るオペラは少しだけ下調べをして観劇すると二倍は楽しめるのですが、本作品に於いては三倍は楽しめると思います!
「二人のフォスカリ」は、15世紀のヴェネツィア共和国に実在した総督フランチェスコ・フォスカリと、その息子ヤコポ・フォスカリの悲劇。
つまり、二人のフォスカリとはフォスカリ親子の悲劇を描いた作品なんですね。しかも実話!
当時のヴェネツィア共和国を統治していたのは、十人委員会という組織でした。この長が総督フランチェスコ・フォスカリ。十人委員会の中にはフォスカリ家の政敵ロレダーノという人もいます。
フォスカリの息子ヤコポは、政敵ロレダーノの陰謀等によって投獄されてしまいます。
十人委員会の審議がドゥカーレ宮殿で開かれるのに併せてヤコポは牢獄からドゥカーレ宮殿に連れて来られる。
ここから先が、オペラで描かれている場面なんです。
かなり省略していますが、この史実を知っていると三倍は楽しめます!
総督として息子のことを裁かなければならない立場と、父親として息子を想う気持ちの間で苦悩するフランチェスコ・フォスカリ。
父親の愛をヴェルディはどのように描いたのか、劇場でご覧頂ければ幸いです。
★今回の公演への想いをお願い致します!
同じくヴェルディの作品の中に「リゴレット 」というオペラがあります。
こちらは、娘を失ってしまう父親の悲劇ですが、「二人のフォスカリ」は息子を失ってしまう父親の悲劇。
作曲された時期は大きく違いますし、描き方も違いますが、どちらも「人生」そして「愛」が大きく描かれていると思います。
今回の「二人のフォスカリ」、物語の最後には総督は彼の人生を懸けてきた地位も、息子も全て奪われてしまいます。
フランチェスコ・フォスカリの苦悩と悲しみにどこまで近寄れるか。
今回がヴェルディ初挑戦となります押川の演奏、最後までお楽しみください。
指揮:田中祐子 演出:伊香修吾
9日(土) 10日(日)
フランチェスコ・フォスカリ 上江隼人 押川浩士
ヤコポ・フォスカリ 藤田卓也 海道弘昭
ルクレツィア・コンタリー二 佐藤亜希子 西本真子
ヤコポ・ロレダーノ 田中大揮 杉尾真吾
バルバリーゴ 及川尚志 黄木 透
ピザーナ 中桐かなえ 加藤美帆
合唱:藤原歌劇団合唱部/新国立劇場合唱団/二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【主催】公益財団法人日本オペラ振興会
【共催】公益財団法人新国立劇場運営財団/公益財団法人東京二期会
【助成】公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団/公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション
【後援】NPO法人日本ヴェルディ協会
ーチケット情報ー
S席17,000円 A席14,000円 B席11,000円 C席8,000円 D席6,000円 E席3,000円