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【キャストコメントvol.7】ギーノ役の藤田卓也からのメッセージ★

ピーア・デ・トロメイ

誤解と和解、そして愛への忠誠
運命に翻弄された女性ピーアの、慈愛に満ちた物語

2024年11月22日(金)・23日(土祝)・24日(日)14:00 開演(13:00 開場)日生劇場にて、藤原歌劇団創立90周年記念公演 G.ドニゼッティ作曲「ピーア・デ・トロメイ」を上演します⚔️

キャストコメント第7弾は、ギーノ役を演じる藤田卓也からのメッセージをご紹介します✨

Q ドニゼッティのオペラの面白さを教えてください。

ドニゼッティはオペラを78作品、未完成を抜くと大体70作品を作曲していますが、その中でも私自身が出演した作品は随分少ないです。今回の「ピーア・デ・トロメイ」が5作品目になり、これまで携わった作品の印象としては、オペラ・セリア(悲劇)もオペラ・ブッファ(喜劇)もエキサイティングで、そして美しい情景が広がっている、そのような作曲家だなと思います。

これはスポーツと少し近いところがあるかもしれません。
やはり歌う身体、楽器としていかに素晴らしい声を作り、この作品に応えられるようにするかというのが一番大事なところでもあります。それがイコール歌手にとっての健康的な要素であると思います。ベルカントを目指すというところはとても良いことですし、無理のない発声で歌い続けられるというところが作品の良さだと思いますね。

2023グランドオペラフェスティバル in Japan 藤原歌劇団公演「ラ・ボエーム」ロドルフォ役

Q ギーノ役の役柄、注目ポイントを教えてください。

初めてこの作品を見た時に、ギーノという役の成り行きというのが少し分からなかったです。ただ、この舞台が1260年、この時代のヨーロッパは混沌とした時代であり、しかも政治が絡んだ恋物語。現代で考える恋愛事情とはおそらく違いますし、例えばヴェリズモ・オペラの愛の表現のし方とは全然違う一面もあります。
私が思うギーノは、やはり恋は盲目というか、酸いも甘いもあるかもしれませんが、自分の中での素晴らしい時間というのがあり、気がつけば周囲に非常に迷惑をかけるということは現代でもあると思うんですよね。そういうところが一連のギーノを見ていく上での一つの視点であるんじゃないかなと思います。

自分の中では「恐怖の215ページ」と呼んでいる箇所があります。そこの場面は、ギーノはピーアへ手紙を送ってきた人が彼女の愛人だと思っていましたが、実はその相手はピーアの弟ロドリーゴだと分かった瞬間で、それが楽譜でいう215ページです。
心苦しくも、ピーアが「私の弟だったんですよ」と打ち明けるわけです。この作品の中では大きな重要なポイントになるので、印象的な和音がきてもいいと思うのですが、もしかしたらギーノはピーアの愛人じゃなかったっていうことにほっとしてるんじゃないかなというふうな、そんな印象を与える音楽です。
しかし、自分のせいでネッロ、ピーアのご主人様を怒らせてしまっているわけですよね。
私だったら「しまった、嘘の情報を与えてしまった」っていう風に頭がいくんですけれども、その後ギーノは、colpito(衝撃を与える)とト書きもあるように、その後ちょっと考えます。頭を下げて、どちら側につくのか考えている人のような感じで少し黙るト書きがまたあります。その考えるというのがたったの1小節しかなく、すぐ答えを出します。
その出した答えが「私を取るか、あなたが死を取るか、どちらかあなたが選んでください」と。その方向に進んで行くのが、最初にピーアが「私の弟です」と言ったところと何かギーノの中で色々な天秤があって、嘘か本当か、ネッロを取るのかピーアを取るのか、そして自分の行動に対する責任はどうなのかというさまざまな思いがある中で出した答えが、これだったんです。しかも弟だったということを知って、ギーノは新たな作戦を始めるというのがこの215ページにあたります。すごい怖いなと思って、自分では「恐怖の215ページ」と呼んでいます。

Q ご来場くださる皆様にメッセージをお願いします。

愛しているがゆえに、あるいは愛しているのに、ピーアを死に追いやったこのギーノという役は非常に心苦しいというところは演じていてありますが、オペラ全体を通して素晴らしい素敵な作品ですので、ぜひ日生劇場に足をお運びいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!

インタビュー動画もご覧いただけます🎵

公演情報

指揮:飯森範親  
演出:マルコ・ガンディーニ

      11/22&24  11/23
ピーア   伊藤 晴    迫田美帆
ネッロ   井出壮志朗  森口賢二
ギーノ   藤田卓也   海道弘昭
ロドリーゴ 星 由佳子   北薗彩佳
ランベルト 龍 進一郎   大澤恒夫
ウバルド  琉子健太郎  西山広大
ピエーロ  相沢 創    別府真也
ビーチェ  黒川亜希子  三代川奈樹
牢番    濱田 翔(全日)

合唱:藤原歌劇団合唱部
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

チケット情報

S席 15,000円
A席 12,000円
B席 9,000円
C席 6,000円
D席 4,000円

藤原歌劇団創立90周年記念チケット

①帝国ホテル東京 ディナー付きペアチケット:¥90,000(S席×2枚)
 受付終了

②ドリンク付きペアチケット:¥33,000(S席×2枚)
 • 有料プログラム(販売価格¥1,000)2冊付き
 • サイン入り公演写真(販売価格¥500円)2枚付き
 • スパークリングワインチケット2枚付き(アルコール以外のドリンクも選択可)

③オリジナルグッズ付きチケット:¥16,000(S席×1)
 • 有料プログラム(販売価格¥1,000)1冊付き
 • サイン入り公演写真(販売価格¥500円)1枚付き
 • 日本オペラ振興会オリジナルグッズ(クリアファイル/90周年記念ステッカー)

※日本オペラ振興会チケットセンターへのお電話へお申込みの方限定特典となります。
 サイン入り公演写真は、全ての出演者のご用意はございませんので予めご了承ください。
 種類は公演当日、販売所にてご確認ください。


公演詳細はこちら⏩「ピーア・デ・トロメイ」

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