JOF ブログ

【キャストコメントvol.6】指揮者の田中祐子氏からのメッセージ★

ニングル

倉本聰の名作が初のオペラ化!!
2024年2月10日(土) ・11日(日・祝) ・12日(月・振) 14:00 開演 (13:00 開場)めぐろパーシモンホール 大ホールにて、日本を代表する脚本家、劇作家である倉本聰の名作「ニングル」が新作初演として公演されます🌱

『昔に返せ』『未来につなげ』…ニングルから人間への痛切な訴えを今、日本オペラ協会渾身の想いでお届けします!

キャストコメント第6弾は、指揮者、田中祐子氏からのメッセージをご紹介します✨

Q 日本オペラに携わる想い

やはりオペラの根源というか、オペラそのものの源流みたいなものは、やはりイタリアにあるように、それはしっかり感じています。昨年、G.ヴェルディも藤原歌劇団でご一緒させていただきましたけれども、やはりその声と、イタリア語が持つオペラのドラマの伝わり方、進め方っていうものにはやはり圧倒的なその源流が宿るなというのを感じた上で、その源流を主軸に日本語のオペラをこう改めて関わらせていただいていて思うのは、日本人がやはり日本語のオペラを歌うことの重みですよね。
やっぱり日本人にしか感じることのできない間合いであるだとか、佇まいとかっていうことは、倉本先生が非常に大事に“間”ということをいろいろな文献やインタビューでもおっしゃっていたんですけれども、“間”というその空間というものは、私もフランスやドイツに留学していた時に「ああ、これは日本人にしかない間だな」その日本人だけが持っている奥ゆかしさとか、我慢して我慢してやっと言葉を発するっていうこととか、育ってきた言葉で、育ってきた文化の中の言葉で表現していく。これはオペラに携わるクラシックの音楽家たちがもう少し活動の傍らに置いていていいもの。もしくは中心にあっても、私はいいものであると。できたら併走をしていきたい。
イタリアオペラやフランス、ドイツのオペラと同等に扱っていくべき分野かなっていうふうに思いますね。

Q 「ニングル」の見どころ、聞きどころ

豊かさとは何かっていうことを倉本先生は本当に何度もこう問うてるんですよね。さまざまな演劇や台本「ニングル」に関わらずでもそうですし。特にこの「ニングル」に関しては「豊かさって何であろう」っていうことを台本の中にも出てきますけれども。人間にとって豊かさとはって時代によっても本当に変わっていきますね。

我々はこの3年間で全世界コロナというものを体験しましたけれども、そういう意味でいうと、人間の力ではどうしようも、もしかしたらできないものに対して、未来に今とる行動が未来にどうつながっていくのかっていうことは、どの時代のどの国の人にも経験したことがあります。

今回はその伐採するかしないかっていうところでこう思い悩むわけですが、森を壊し、それで豊かさを手に入れていくのかっていうことの、その人間の行動一つ一つがその未来を変えてしまうんだっていうことの恐怖。それに対して、人間の豊かさって何なんだろうって問いかけた時にこう最後全員で会場の皆さんと一人一人、自分の人生に置き換えていいし、自分にとっての豊かさっていうのは人間誰しも同じでは絶対決してないと思うんですね。だからこの作品を通して、それぞれの個々に訴えていけたらいいなっていう思いでお稽古を進めています。

渡辺先生とは初めてお仕事させていただきます。その中で森のイメージを巧みにオーケストレーションで描いていらっしゃったり、一人一人が持つシーンの重さ。
そこに非常に豊かな旋律美がありますので、これは本当に日本人のみならず、海外の方にも心を打つと思います。

そういう意味で、ジャンルを限定できない音楽の内容になっているので、是非いろいろな固定概念にとらわれず、音楽を純粋に楽しみながら一瞬一瞬引き込んでいけるようなそういう演奏を心がけていますし、オーケストラからもたくさんヒントをいただきながら、舞台稽古に入って、どのように呼吸が変わっても歌い手の魂から出てきたブレスとテンポ感っていうものに最大限寄り添える。そういう音楽作り舞台作りを目指していきたいです。本当にこの作品に関われて、とても幸せに思っています。どうぞご期待ください。

(撮影日:1月25日)

世界初演であるオペラ「ニングル」🌱
倉本聰氏が大切にしている“間”、その“間”という空気を大切に、そして「豊さとは何か」ということをこの作品でどう表現し、訴えているのかにもぜひご注目ください!
稽古映像も含まれたインタビュー動画もお楽しみください♪

公演情報

ニングル特設サイト

終演後、会場内で田中祐子(指揮)・渡辺俊幸(作曲)によるアフタートークあり[2/10(土)・11(日)のみ]

チケット情報

S席 15,000 

A席 12,000 

B席 8,000 

C席 3,000

チケットは全日完売いたしました。
また当日券の販売もございませんので、ご了承ください

指揮:田中祐子  演出:岩田達宗

        2/10&12   2/11
勇太      須藤 慎吾    村松 恒矢
才三      海道 弘昭    渡辺 康
かつら     佐藤美枝子   光岡暁恵
ミクリ     別府 美沙子   相樂 和子
スカンポ    中桐 かなえ   井上 華那
光介      杉尾 真吾    和下田 大典
信次      黄木 透     勝又 康介
民吉      久保田 真澄   泉 良平
ニングルの長  江原 啓之    山田 大智
かや      丸尾 有香    長島 由佳
信子      佐藤恵利(両日)

合唱:日本オペラ協会合唱  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  

【主催】公益財団法人日本オペラ振興会、公益社団法人日本演奏連盟
【共催】公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
【特別協力】一般財団法人倉本財団
【東京都芸術フェスティバル主催】東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団
【助成】文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援))|独立行政法人日本芸術文化振興会、公益財団法人東急財団(田中祐子:五島記念文化賞オペラ新人賞研修成果発表)、公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団
【協力】太鼓芸能集団 鼓童

WEBでチケットを購入 お電話でチケットを購入